第一章
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才能
自分が担任として受け持っているテッド=ホーリックについてだ、ハワード=アーサー=ヒュンケルは校長のコーネル=キンメルに対して真剣な顔で語った。
「非常に優秀な生徒です」
「君もそう言うのか」
「見たままを語っています」
こうキンメルに話した。
「私は」
「そうなのか」
「はい」
その高い鼻とマリンブルーの目を持つ顔で言う、キンメルのアフリカ系独特の褐色の波田と黒い目、だが髪の毛は母親の血らしい赤がかった髪の毛を観ながら。
「知能指数はかなり高いですが」
「一六〇あるね」
「状況把握、分析も見事で」
「それが学校の成績にも出ていてね」
「見事な成績です」
ヒュンケルは冷静な声でキンメルに話していく、校長室は今は彼についてのそうした話になっている。
「多少の勉学でこのジュニアハイスクールで教えることなら」
「ほの全てだね」
「理解し記憶します」
「だからあの成績だね」
「しかもあの体格です」
今度はそちらの話をした。
「あのままいけばまず二メートル、百二十キロを超えるでしょう」
「背も骨格も筋肉も確かでね」
「フットボールをしていますが」
この場合のフットボールはアメリカンフットボールだ、アメリカでフットボールというと大抵はこちらになる。
「見事な司令塔であり」
「オフェンスもだな」
「的確です、最高のプレイヤーです」
スポーツでもというのだ。
「プロでも通用します」
「そうか、本当に将来有望だな」
「若しフットボーラーにならずとも」
それでもというのだ。
「学者になれます」
「まさに逸材だな」
「才能の塊です」
それがホーリックだというのだ。
「あのままでは大成します」
「そこまでの少年か」
「そうです、ですが」
ここでだ、ヒュンケルは難しい顔になった。そのうえでキンメルに対して深刻な声で話をした。
「問題がありまして」
「私も聞いている」
キンメルもこう応えた、難しい顔で。
「家庭だな」
「はい、特に母親です」
「随分と問題がある母親だな」
「彼には姉が二人いますが」
「姉二人だけを可愛がってな」
「彼は冷遇、いや虐待しています」
ホーリックはそういった状況にあるというのだ、家庭においては。
「元々毒舌家で独善的で異常に他人を見下す傾向がある母親で」
「それで離婚もしているな」
「キャリアウーマンですが人間としては非常に問題があります」
「娘さん二人はかなりのお嬢様学校に入れてな」
「彼はこの普通の公立です」
「そして食事も部屋も服もな」
「彼は地下室に入れられています」
そこがホーリックの部屋だというのだ。
「何でも男は女と一緒にいると幼くとも淫らな欲望を抱くと」
「地下室
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