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好みは複雑
第二章
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 ある日のことだ、不意にだった。
 秀太は通っている高校の最寄りの駅のすぐ傍にある本屋に入った時にだ、ある声優雑誌の表紙がたまたま目に入ってだった。目を輝かせたうえで。
 その雑誌を買ってそれからだった。
 クラスや部活で友人達にだ、熱い声で語りだした。
「いや、今その人の出てるアニメ集中的に観てるけれど」
「どんなにいいか」
「そう言うんだな」
「そうなんだよ」
 これまでの冷めた口調が一変していた、熱いものにだ。
「こんなにいい人いるんだな」
「ええと、悠木麻里佳さんか」
「何か今話題の人気声優だって?」
「主演のアニメが何作も大ヒットしてる」
「そうした人なんだな」
「この人だよ」
 ここで秀太は友人達にあるものを出した、それは声優雑誌のその悠木麻里佳のグラビアでだ。
 そこにだ、黒の左右を団子にした髪型で童顔の少女めいた外見の女性がいた。ひらひらとした制服を着て笑っている。
 そのグラビアを見せつつだ、秀太は友人達に言うのだった。
「可愛いよな」
「ああ、そうだな」
「下手なアイドルより可愛いな」
「声優さんってよく知らなかったけれどな」
「こんな奇麗な人いるんだな」
「そうなんだな」
「いや、たまたまな」
 秀太は彼女を知った経緯も話した。
「本屋さんでこの表紙見てなんだよ」
「ああ、最近そうした雑誌もあるよな」
「声優さんの雑誌がな」
「それでか」
「そうした雑誌が目に入ってか」
「それからファンになった」
「そうなんだな」
 友人対tもここでその辺りの事情を理解した。
「そういうことか」
「まさに運命の出会いだな」
「そうだよな、内山にとって」
「これ以上はない位の」
「本当にそうだよ」
 秀太自身も言い切った。
「今この人のグッズとかも集めてるしネットで画像も集めて」
「おいおい、そこまでしてるのかよ」
「また凄いな」
「俺達も好きなアイドルとかの画像見るけれどな」
「動画とかもな」
「あとAVとかも観るしな」
 そうしたダイレクトに実用的な分野の人にも興味を見せてそして実際に、というのである。
 それで秀太の豹変にもだ、納得して言うのだった。
「それで内山にとってはか」
「この声優さんがそうなんだな」
「タイプか」
「そうした人か」
「まさにだよ」
 意中、そう言っていい相手だとだ。秀太も言い切った。
「俺この人ずっと応援していくよ」
「そこまでするか」
「もう大好きなんだな」
「大好きだよ」
 秀太は戸惑わず答えた。
「大ファンだよ」
「それで応援していくか」
「いや、そうなんだな」
「かなり変わったな」
「本当にな」
 全員で話した、そしてだった。
 秀太はこの悠木麻里佳を応援し続けた、友人達は彼女のイベント
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