第四章
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「結局はね」
「そうなんですね、正反対に見えて」
「全く同じだよ」
「だからどっちも下品なんですね」
「同じレベルでね」
「そうなんですか、そういえばタブロイドだけじゃなくて普通の新聞も雑誌も」
マスコミの媒体、それはというと。
「媚びると本当に下品になりますね」
「テレビでもそうだね」
「コメンテーターとかですね」
「そう、媚びていると下品になるんだ」
「そこで品性がなくなって」
「そうなるんだ、好きなのはいいけれど」
それでもというのだ。
「媚びたらいけないということだよ」
「そういうことですね」
「媚びたら権力の犬になってね」
「キムやキムダイみたいになるんですね」
「そういうことだよ」
「そうですか、いい勉強になりました」
葵は岩城にこう返した。
「マスコミ、そして人間についての」
「媚びたらどうなるかをだね」
「人は徹底的に下品になるんですね」
「本当にキムやキムダイみたいにね」
徹底的に下品な存在になるとだ、岩城もまた葵に話した。
「そうなるんだよ」
「私も学問においてですね」
「そう、媚びないでね」
「誰にもですね」
「そうしていくんだ、いいね」
「はい、学問も媚びてはならない」
葵は毅然とした口調になっていた、その声での返事だった。
「そのこと肝に銘じておきます」
「夕刊キムや日刊キムダイみたいにならない」
「反面教師にしていきます」
岩城に強い声で応えた、見れば葵の席のパソコンの画面にはキムやキムダイの記事について書かれているブログあった。その記事のタイトルからしてどれも下品の極みだった。葵はその下品さを見つつ岩城に約束した。
そして後日だ、学会で岩城と共に東京に来た時にたまたま入った牛丼屋である男を見た、見れば極端に悪い姿勢で口の中を見せつつ席に片膝を突いて座って貪り食っている。そうしつつ店員や他の客に突っかかっているが。
その言葉はだ、こうしたものだった。
「俺を誰だと思ってるんだ」
「もっと美味いもの出せ」
「俺は夕刊キムの江後米介だぞ」
「俺を怒らせたらどうなるかわかってるのか」
「何書くかわかってるのかよ」
「あの、先生」
葵はその男を見て岩城に眉を顰めさせて囁いた。
「あの人が」
「夕刊キムの記者みたいですね」
「そうですよね」
「酔っていないみたいだけれど」
「酷いマナーですね」
「無茶苦茶だよ、ちょっとあまりにも酷いから」
それでとだ、岩城は他の客に突っかかりだした江後ゴロツキそのものの人相の男を見つつ携帯を出した。
そしてだ、葵にこう言った。
「警察に通報するよ」
「そうされますか」
「営業妨害でね」
「そうした方がいいですね」
「あれが夕刊キムの記者なんですね」
葵は早速通報する岩
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