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ブラックウィドー
第五章
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までもない。
「その中には敵以外の敵も多いということは頭に入れておかないとな」
「インディアンにやられるのも馬鹿らしいですけれど」
 戦争は死ぬものではなく武勲を立てるものだ、これが牧師の考えでありそこからの言葉だった。
「蜘蛛にやられたらもっと馬鹿らしいですからね」
「その通りだ、わかったな」
「ええ、よく」
 牧師も博士の言葉に頷く。そしてだった。
 隣を進む博士に対してこう言った。
「蜘蛛も馬鹿にはできませんね」
「何でもそうだ。危険は気付かないうちに傍にあるものだ」
「本当に気をつけないといけませんね」
 牧師の口調はしみじみとしたものになっていた。そして。
 自分でもそのことを心に刻み込み覚えるのだった。どんな小さな蜘蛛でも死に至る毒を持っている、決して油断も安心もできないということを。


ブラックウィドー   完


               2012・10・25
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