EX回:第41話(改2)<艦娘の帰還>
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とだ。
(いや、待てよ)
私は考え込んだ。つまり未来の『私』も今回のことは知っていたわけか?
混乱しかかっている私を見ながら彼女は悟ったように続ける。
「そりゃそうだ。今回のことを私自身が覚えていれば、その年月日に予定調和的に指示をするだろう。もしお前と私の縁が未来も続いているならば当然、未来のお前だって私の意向に沿った動きをするはずだ」
「過去と未来の私たちが……」
(二人の指揮官が揃いも揃って何をやっているんだ?)
混乱する。
「ん?」
私は気づいた。
(もし、そうだと仮定して)
……その未来の技術参謀は、その前に一回は未来へ行ってたわけか。
(待て、待て)
私は額に手をやって考え込んだ。
(……その前の彼女は、一体どこから時間を超越する情報を得たんだ?)
いや、もし知らなかったとしても、この現象は繰り返されているのか?
(こ、混乱してくる!)
私は頭を振った。
SF的な発想は嫌いじゃないが考え込むと迷宮に迷い込みそうだ!
私が混沌としている顔をしていると技術参謀は、ますます嬉しそうな顔をして言った。
「ふふふ混乱するだろう? だが、こういう多重構造的な時空の連続はゾクゾクするな。実に愉しいぞ!」
技術参謀は嬉しそうな顔をした。こっちは愉しくない! ……ったく。
そのとき、前の操縦席で動きがあった。同時に艦娘たちも、ざわついている。何かの交信を捉えたようだ。
私は聞く。
「戻ったのか? 私たちの時代へ」
寛代が振り返り親指を立てる。それを見た機内には歓声が上がった。
「戻った……ったっぽい!」
金髪を振り乱して夕立が叫ぶが既にロレツが回ってない。
他の艦娘たちも飛び上がって喜んでいる。
「やりました!」
「やったわねぇ」
(以下省略)
青葉さんは、その状況を盛んに写真機に収めている。
ふと誰かが私の肩に手を置いた。見上げると日向だった。
「司令」
「ああ、戻ったな」
「はい」
余計なことを言わなくても何か通ずるものがあった。本当に良かった。
彼女も安堵したような表情だった。
続けて何か言いかけた日向だったが技術参謀がカットインして私に声をかけて来た。
「司令、操縦席に一緒に来い。ちょっと確認することがある」
「ハッ」
恨めしそうな日向に軽く手を上げてから私たちは操縦席の寛代のところへ行く。
参謀は言った。
「ここが行きと同じ場所であれば計画通り私たちの時代のブルネイでの模擬演習を執り行いたいと思う」
「ハッ」
「ただ艦娘たちの体調やメンタル面での問題もある。総合的な判断は指揮官である、お前に任せる」
「……」
「まずは私がブルネイに連絡をするから
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