第五十二話 エル・ファシル真の英雄・前編
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は「此で俺は中将だな」とにこやかに参謀長と話している。
そんな空気を絶対零度に落とし入れるオペレーターの叫び声が上がった。
「敵艦隊急反転し本艦隊に突入してきます!」
「そんな馬鹿な!」
「まずい」
「反転迎撃せよ!スパルタニアン全機発進!」
しかし格納庫からの声が艦橋に響き渡る。
「スパルタニアン発進不可能、未だ整備が終わっていません」
「なんだと!」
「司令官このままですと損害が増すばかりです」
「うわーー」
グメイヤの真横の巡航艦ニコライエフが直撃を受け爆沈した。
「味方は混乱し既に組織的な戦闘が難しくなっています」
リンチ司令官は目が虚ろになり小刻みに震えだした。
「司令官閣下!ご命令を!」
「ああエル・ファシルへ後退しろ!」
「今後退すれば敵から撃たれまくります、
指揮系統の混乱を治めてからの後退を」
「構うな後退しろ!此は命令だ!」
他の艦が絶望的な戦闘を続ける中、
グメイヤ以下数隻の艦は味方を見捨てるようにエル・ファシル本星へと逃亡した。
結果的にエル・ファシルへ逃げ込んだのは艦艇200隻程兵員50000人程であった。
■同盟領エル・ファシル星域 シュタイエルマルク艦隊旗艦フォールクヴァング
「思った以上に旨く行ったな」
「全くです。抵抗を続けていた敵も降伏しました、およそ100隻程です」
「エル・ファシルへ逃げ込んだのはどの程度か?」
「およそ200隻程かと」
「ふむ、イゼルローンへ通信を送れ」
「内容は?」
「発シュタイエルマルク艦隊、宛イゼルローン要塞艦隊司令部、
我が艦隊はエル・ファシルにおいて敵艦隊と交戦此を撃破し現在エル・ファシルを包囲状態にあり。叛徒からの解放の為増援及び装甲擲弾兵を求む」
「あとは増援が来るまで包囲を行うぞ、
慢心せずに確りと監視するようにせよ、
軽い飲酒は許可するが飲み過ぎないようにせよ」
「諒解しました」
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