第14話 やっぱり彼女はスーパーヒロインでした
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だったら「どっちでも大丈夫」なやり方で行くしかない!
「矢村ッ! ここからすぐに逃げろ! 全力ダッシュで家まで帰れ!」
「え――えええッ!?」
俺は両手を広げて矢村を庇い、避難するよう促す。もちろん、当の彼女は驚きの声を上げた。
――そう、逆に考えるんだ。俺じゃなく、彼女が逃げればいい。
もし矢村も狙いのうちに入っているのだとしたら、「解放の先導者」は彼女を追おうとするだろう。その時は、俺が体を張ってでも奴を止めればいいんだ。
それに、向こうの意図が本人の言う通りなんだとしたら、この時点で矢村を巻き込む可能性については即解決なはずだ。どっちに転んでも、彼女を危険に晒すリスクは削れる!
「ど、どういうことなん!? わけわからんのやけど! あいつ、龍太とどんな関係なん!?」
「今はそんなことどうでもいいだろ。いいから、早く帰るんだ! ご両親心配してるぞ?」
「お父ちゃんもお母ちゃんも、今は旅行に行っとるし!」
「え、マジで? あーもう、いいから早く帰りなさい! ご飯冷めちゃうよ?」
「一人暮らしなんやから自分で作るし!」
「あーご両親いないんだったらそうだよねー、あははー! ……はぁ」
……って、おいィ! なんでここまで帰りたがらないんだよー!? 意味不明な状況が怖くて、一刻も早く逃げ帰りたいってのが普通じゃないのかよ!?
「ねぇ、なんで龍太は逃げんの? 事情はようわからんけど、なんかヤバそうやん。一緒に、逃げよ?」
上目遣いで「一緒に逃げるべき」と迫る彼女に、俺はますます困ってしまった。あのなぁ、狙いが俺一人なのに「一緒に」逃げたりなんかしたら、巻き込まれる展開しかないでしょーが!
捕まっても命までは取られないから……とは言いにくいしなぁ。「なんでそんなことわかるん?」とか聞かれたらアウトだし。
「だーめーだ! 一人で逃げなさい!」
だから彼女の身の安全のためにも、ここは鬼にならねばなるまい。俺は「一人で逃げるべき」の一点張りを通すことにする。
確かに、こんな夜道に女の子を一人で帰らすのは忍びない。だが、この町に「技術の解放を望む者達」以上の脅威があるとも思えないだろう。よって、俺の判断が正しい! 以上!
「いーやーや! 龍太が残るんやったらアタシも残る! あんたを一人になんかできんもん!」
そんな俺の強引な判決をものともせず、彼女はごり押しでこの場に残ろうとする。あーもー! いいから帰れよ! お前がここにいたら作戦が進まねーんだよ!
『君達、逃げる気がないなら……僕の都合で話を進ませてもらうけど、いいかな?』
――あ、やべ。
どうやら、古我知さんは矢村が納得するまで待ってくれる程、お人よしでもなかったらしい。悪の親玉に良心を期待
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