第14話 やっぱり彼女はスーパーヒロインでした
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ボットだ! とはなかなか思わないだろうし、そういう見方が妥当だよな。
矢村は俺を庇うように前に出ようとしているが、全身が小動物みたく震えている。腕も掴んだままだし、相当ビビってるのがわかる。
けど、目の前にいる奴がどういう輩なのかも知らないんだし、不安がるのは仕方ないよな……。
俺は「解放の先導者」から矢村を隠すように、ズイッと進み出た。
「龍太!?」
「えーと、なんていうか……。こういう時くらい、カッコつけさせてくんないかなーってさ」
我ながら歯が浮くような台詞だけど、「俺の方がコイツに詳しいから」みたいなことをバカ正直に話したら、間違いなく後で追及されちまう。ここは、キザに振る舞ってごまかすしかない!
ドン引きされるかな、と恐る恐る表情を伺ってみるが……顔を伏せられてしまい、敢え無く断念。なんか頭から湯気が噴き出してるような気がしたけど、幻覚だよな?
さて、矢村の様子は一先ず置いといて……これからどうするべきか。
やっぱり矢村を逃がすことが第一になるんだろうけど、それについては気掛かりがある。
それは、俺達の前にいる「解放の先導者」の狙い。
奴が狙ってるのが「この件の真相を知る関係者」なのか、「この件の目撃者」なのか。それが問題だ。
前者なら、狙いは間違いなく俺一人。「呪詛の伝導者」を「古我知さん」と呼んでしまった以上、俺が「技術の解放を望む者達」のことを知っていることは、向こうにも筒抜けなはずだから。逆に、何も知らない矢村はただの目撃者。「ちょっと姿を見られて、不審に思われたくらい」で片付けて、ほったらかしで済まされる可能性もある。
後者なら、矢村も狙われることになる。あっちが、姿を見た者は一人残らず(記憶を)消す! というスタンスなら、彼女も俺と同じ危険に晒されてしまう。俺が彼女にチクってると向こうが思ってるなら、まずこっちの判断が妥当だろう。
矢村のためにどうするべきかは、この二つのどっちが正しいかに掛かってる。
前者なら、俺が一人で逃げ出すべきだ。「解放の先導者」を引き付けて、彼女をこの件から隔離できるんだから。
だが、後者なら二人で一緒に逃げるしかない。そうしないと、さっき俺がやらかしそうになった時みたいに、彼女を見捨てることになる。
そこのところを具体的に判別したいところなんだが……うーん、どうしたもんかね。
真正直にこの旨を伝えて、ちゃんと答えてくれるとも思えないし。つーか、口利けるの? こいつら。
「おいコラ! 誰だか知らんが、見世物じゃないんですよ! どっか行ってくんない!?」
ちょっと気になったので、試しに声を掛けてみる。もちろん矢村の前なので、何も知らないフリをして。
すると――
『君がどこかへ行った方がい
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