暁 〜小説投稿サイト〜
フルメタル・アクションヒーローズ
第1章 巷で噂のスーパーヒロイン
第4話 ひとまず観戦
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も乱闘を中断させることはできるかもしれない。「向こうも同じ」というからには、救芽井側も機械人形側も目撃者がいるとわかれば、引き上げざるを得ないんじゃないか?

「兵器転用だか情報漏洩だか知らないが! 人が暮らしてる町ですき放題やってんじゃ――」
 そう思った俺は声を張り上げようとして――吹っ飛ばされてきた機械人形の体を顔面にぶつけられた。
「ブファッ!?」

 そのまま後ろにひっくり返った俺は、倒れたまま動かない機械人形の下敷きにされてしまう。うげ、重たい……鉄なんだから当たり前か。
 俺に乗っかってる奴は体の端々に火花が飛び散っており、現在進行形で救芽井にボコられてる他の奴らと違って、動き出す気配がない。どうやら機能停止してるみたいだな。
 救芽井もロボット集団も俺の存在には気づいていないらしく、一般人の危機ほったらかしのままで戦闘に興じている。ロボット共はともかく、救芽井は人命救助が仕事なんだから助けてくれよ!? トホホ、まさかここまで嫌われていようとは……。
 いや、気づいてないだけってのは分かってるけどね? 初対面が初対面だから傷つくんだよ……。

 そんな俺の悲哀をガン無視するかのごとく、救芽井はますます積極的にロボット集団に攻め入っていた。殴られ、蹴られ、投げ飛ばされていくロボット達は、為す術もなくスクラップにされていく。下敷きにされてるせいで、詳しい戦況はなかなか見えづらいのだが。
 ……まあ、なんだか優勢みたいじゃないか。まだ例の「呪詛の伝導者」ってのは出てこないみたいだけど、これならひょっとして楽勝なんじゃないか?
 他人事ではあるけれど、やっぱりお隣りさんが勝ってくれる方が嬉しい。それに、この一件が解決すれば、救芽井が出す変身の発光に悩まされることもなくなるかも知れないんだから。
 うーん、それはそれで救芽井家の人と話す切っ掛けがなくなるわけだから、寂しくなりそうな気はしないでもない。おっかない救芽井はともかく、ゴロマルさんは割といい人だからなぁ。あの人、「受験頑張るのじゃぞ」ってお菓子とかいろいろ差し入れてくれるし。


「……ん?」
 すると、今まで引っ切り無しに響き続けていた乱闘の騒音がピタッと止んでしまった。救芽井が勝ったのか?
「止まった……のか? くそ、これじゃ何も見えんッ! ぐぐぐ……ぬ、おおおおおおおッ!」

 今すぐにでも確認したいところなのだが、この鉄の人形を退けないことには確かめようがない。しかし、コイツの重さというのはやはり洒落にならない……。
 俺は両腕はもとより、全身の筋力をフル稼働させ、この厄介な木偶の坊の自力撤去に掛かる。腕の筋肉が悲鳴を上げようが骨が折れようが、ここでコイツを退かさなきゃ、一生この場を出られないかも知れない。そんな覚悟を胸に、俺は鉄人の下敷きにな
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