~a bird in the cage~
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な。そのくらいは分かるさ」
……あれ、何この雰囲気。邪魔しちゃ悪いかな?
と思った俺は、静かに立ち上がりリビングを抜けて自室へと戻ったのである。
~キンジside~
「……なぁ。白雪」
「何?キンちゃん」
「―お前、本当にアリアのことがキライか?」
「えっ?」
白雪は、少し面食らった顔をした。
「ほら、彩斗。お前も分かってるかもしれんが、白雪は結構アリアに対しては物事ハッキリ言うだろ?俺たちにはキョドるが。まあ…何が言いたいかってーと、俺は白雪がこんなに感情を露にしてるのは見たことない気がするんだ。いつもの大人しい白雪とは別に、アリアに対する白雪の方が本音を出してるって感じがして……な」
「なるほどね。分かりやすくすると、どこかとある1面では噛み合ってるんじゃないか?ってことだろ」
物分かり良すぎだろ。コイツ。
「まあ、そういうことだ。…白雪、分かったか?」
無言で、こくり。
白雪は原則、人の言うことを良く聞く子だ。それは良いこと―という風になってる……が、その従順な性格には欠点もある。性格故に、そこには白雪の意志が無いのだから。……それでも、白雪はアリアに対しては本音で当たってる気がするのだ。
「キンちゃんは……本当に私のこと、分かってくれてるね」
「まぁ、小さい頃から一緒にいたからな。途中ブランクはあったが」
「きっと私以上に私のことが分かってる」
さっきより穏やかな声になった白雪が、ちょっと座り直すようにして―そっと、近付いてきた。
「アリアは……私とキンちゃんの世界に、真っ直ぐ踏み込んで来た。まるで銃弾みたいに」
そんな世界あったっけ。
……まぁ、ここは話の腰を折らないようにツッコまずにいておくか。
「そして私の全力を受けても、1歩も退かなかった。そこはある意味では凄いと思ってるよ」
全面的にはキライだが、複雑な感情を抱いてるって感じか。
「だから……アリアにキンちゃんを取られるかもしれないって思うと、何か怖くなってきて…………」
「取る取られる以前に、アリアは彩斗のパートナーだろ。だから俺がアリアに取られることは、無い…と、思う。…多分な。それに、幼なじみと武偵のパートナーは違うだろ」
「幼なじみ……そうだよねっ!」
ぱぁっと顔を明るくした白雪は、嬉しそうにぴょんぴょん飛びはね―自室に戻っていった。
……『かごのとり』―か。
青森に兄さんの仕事の都合で暮らしていた時、星伽の小さな巫女達をそう哀れむように呼んでいた。何だったんだろうな。その理由は。
~Please to the next time!
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