第四章
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「アメリカはパクス=アメリカーナ」
「やっぱりアメリカ最高、アメリカ中心」
「まんま中華思想」
「考えコピーして取り入れたんじゃないの?」
こうまで言われる程だった。
「アメリカだってね」
「そうした考えもあるから」
「本当に何から何までそっくり」
「細部に違いがあっても」
中国は中央集権的でアメリカは地方分権でもだった。
「すぐに謀略使うし」
「両方共ね」
枚挙に暇がなかった。歴史において。
「しかも自分達を正義と言って小国に喧嘩売るし」
「キューバとかベトナムとかね」
「モンゴルにも」
これもまた枚挙に暇がなかった。
「やたら物騒だし」
「国連は利用するのに全然言うこと聞かないし」
「中国人が全員白人でも同じよね」
「アメリカ人がアジア系ばかりになってもね」
それこそ変わらない、彼等はこう言うのだった。オークリッドも袁もいないところでこうした話をしていた。そしてその当人達はというと。
政治的な発言はお互いあえて控えているがそれでもだった。あくまでお互いの文化の違い等を話していった。これは彼等の留学先が文学部の国文学科ことも影響している。
「君の国には紅楼夢があるね」
「ああ、清代の作品だね」
袁はオークリッドの言葉に応えた。源氏物語とも比較される中国の貴族文化と恋愛を描いた古典である。
「あれがどうかしたのかな」
「我が国にああした作品は」
「あるじゃないか」
「あったかな」
「若草物語がね」
それがあたるというのだ。紅楼夢に。
「世界のスケールとかじゃなくて。何ていうかね」
「似てるかな」
「匹敵する古典っていえばね」
若草物語もそうなるというのだ。
「それだね」
「うん、あれは凄いよ」
こうオークリッドに言うのだ。
「名作だよ。本当にね」
「いや、紅楼夢もね」
「あれは確かにね」
自国のことなので袁も笑って応える。
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