第百三十六話 鍛錬をしてその五
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「そう言う者自身が人間だからな」
「つまり自分を人間ではないからそう言うと」
「いや、自分は人間より偉いのか」
言うまでもなく人間であるけれどだ。
「そう思っているから言うのではないか」
「人間でありながらですか」
「だから文明を捨てろと言うが」
「そう言う人程ですね」
「マスコミの人間が文明を捨てればどうなる」
よくそう言うことを言う人達こそだ。
「電力を消費し紙がなくなればだ」
「もうマスコミは成り立たないですね」
「自分達だけが電力や紙を独占するつもりなら論外だ」
「他の人達が我慢するのなら」
「それはもう特権だ」
文明の中のそれだというのだ。
「原発反対と言いクーラーに当たりパソコンを使うか」
「原発の分を我慢してこそですか」
「全電力の三割が原子力というが」
「原発反対ならですね」
「その三割は我慢しないとな」
「それが筋ですね」
「どうも原発反対派も胡散臭い様だが」
過激派が入っていたり何故か他国の原発ビジネスを助ける為に日本の原発に反対している人もいるらしい、そういえば親父も原発反対派と沖縄の基地反対派が何故同じ顔触れか考えてみろと僕に言ったことがある。
「毎日鼻血を出すという元町長もいたな」
「毎日ですね」
「原発事故からな、若しそうならな」
毎日鼻血を出す位重症の被爆症状ならというのだ。
「入院が必要だ」
「そうなんですか」
「おかしな話だ、それで話を戻すが」
「文明についてですね」
「そうだ、人間は欲があるからだ」
我と言っていいそれがだ。
「それがあるから進歩もしてきた」
「これまでですね」
「文明も栄えてきた」
「そうなってきたんですね」
「そうなった、だからこそだ」
「欲も必要ですか」
「欲がないと発展出来ないならな、そして発展したいならだ」
それならばというのだ。
「欲も必要だ、あらゆることについてのだ」
「我が強いと駄目でそれで我がないとですか」
「欲がな」
「それも駄目ですか」
「不思議なものだ」
留美さんはかなり真剣だった、夕暮れの下校時の留美さんの普段からきりっとしていたお顔が夕暮れの赤とその真剣さで何か特別に見えた。
「人間は我が強いことは駄目とされるが」
「しかし我がないとですね」
「発展、前に進めないのだからな」
「文明もですね」
「今の様に至っていないしだ」
「これからもですね」
「前に進めないだろう」
我、つまり欲がなければというのだ。
「やはりな」
「では欲はあってもいいのですか」
「発展、文明の中でいたいのならな」
「その中にいたくないなら別ですか」
「それこそ解脱すればだ」
つまり我をその段階まで捨てられればというのだ。
「文明を超越しているだろうが」
「そうし
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ