第百三十六話 鍛錬をしてその二
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「指が五本あるよ」
「鬼の指は」
「三本だと言われているよね」
「はい」
円香さんは僕の言葉に頷いてくれた、そうした話をしながら道場を観終わってそうしてだった。
円香さんは道場を締めた、そうして僕の言葉に頷いてくれた。
「悪徳の三つですね」
「鬼は悪徳しかないからね」
「そう言われているからですね」
「指は三本なんだ」
「そして人は五本ですね」
「三つの悪徳を二つの美徳で抑えている」
「それが人ですね」
「けれどこの学園の鬼は」
悪徳しかないとされているけれどだ。
「指が五本あるみたいだね」
「悪徳も美徳も併せ持っている」
「鬼だけれどね」
悪徳しかないというがだ。
「そうなってるね」
「いい鬼ですか」
「鬼といっても色々だからね」
よく冷酷な人や悪い人を鬼と言うけれどだ。
「泣いた赤鬼とかね」
「あの童話ですね」
「いい話があるし」
円香さんに話した、二人で円香さんが職員室にまで道場の鍵を返すのに同行している。
「一概に鬼といっても」
「色々ですね」
「いい鬼もいて」
「この学園の鬼はですね」
「何かお酒飲んでお豆腐や葡萄食べて宴会しているらしいよ」
聞いた話ではだ。
「平和にね」
「そうですか」
「至ってね」
何でもそうだという、この学園の鬼達は。
「金棒を持っていても」
「お酒を飲んでいてですか」
「お豆腐や葡萄を食べてね」
「お豆腐や葡萄ですか」
「どっちも鬼の好物なんだ」
そうされているのだ。
「お酒は言うまでもなくね」
「そうですか、何か」
「何か?」
「鬼がお豆腐を好きなのは」
このことはというのだ。
「意外ですね」
「あっ、お豆腐は豆から作るから」
「大豆から」
「鬼は豆が大の苦手ですね」
「鰯とね」
だからこの二つを節分で食べる、豆は鬼は外福は内と言って鬼に対して投げてそれから食べる。
「あと桃もね」
「それでお豆腐はそのお豆から作るので」
「だからだね」
「意外です」
鬼がお豆腐を好きなのはというのだ。
「どうにも」
「うん、けれどそうだって言われているんだ」
「お豆腐が好きですか」
「うん、あと葡萄も」
「葡萄も」
「うん、それで面白い話があってね」
「面白いとは」
「ほら、鬼の外見ってね」
僕は童話とかのその鬼の姿から円香さんに話した。
「大柄で毛深くて髪の毛がもじゃもじゃとしてるよね」
「大体そうですね」
「それで顔も彫があって」
「それは」
「アイヌ系かも知れないけれど」
元々鬼はまつろわぬ者達だったという、この辺りは土蜘蛛と同じだ。どちらも朝廷に対する人達だったというのだ。
「白人だよね」
「あの人達の身体的特徴ですね」
「流れ着いた白人って説もあるん
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