第六章
[8]前話
「私とても満足しています」
「それは何よりばい、それではばい」
「これで、ですね」
「さらばばい」
笑顔での言葉であった。
「機会があればまた会うばい」
「それではです」
「また」
ナターシャだけでなく裕介も挨拶をした、そうしてだった。
一旦木綿は去り二人だけになってだ、ナターシャは裕介にあらためて話した。
「いましたね」
「うん、いたね」
裕介も応えた。
「妖怪がね」
「大阪にも」
「そうだね、しかもね」
「阿倍野って言ってましたね」
「いや、阿倍野にも妖怪がいたんだ」
しみじみとして言う裕介だった。
「流石に僕も驚いたよ」
「私もです」
「うん、ただね」
「ただ?」
「お家が阿倍野の何処にあるかは言わなかったね」
「どんなお家でしょうか」
「あの身体だからね」
一旦木綿のそのひらひらとした身体から思うことだった。
「特にね」
「かさばるところもないですね」
「だから狭くてもいいと思うけれど」
「何処かはですね」
「わからないね、とにかくね」
「はい、私達もですね」
「家に帰ろうね」
こうナターシャに話した。
「これから」
「はい、そして帰って」
「また飲もうか」
「おとそをですね」
正月の酒をとだ、ナターシャは裕介に話した。
「飲みますね」
「うん、けれど問題はね」
「問題?」
「そのおとそで飲むお酒の種類だけれど」
裕介が問題にしているのはこのことだった。
「何がいいかな」
「焼酎ですか?」
ナターシャが出した酒の種類はこれだった。
「やっぱり」
「一反木綿さんが言ったから」
「そうしますか?」
「それじゃあそうする?」
「はい、焼酎にしますか」
「あとおせちもね」
裕介はこちらも忘れていなかった。
「お袋が腕によりをかけて作ってるから」
「それをですね」
「食べようね」
「私おせち食べたことはありません」
ナターシャはこのことも話した。
「だからそれも楽しみです」
「まあ思ったより美味しいものじゃないけれど」
おせちについてはこう言った裕介だった、彼の好みを含めての言葉だ。
「食べる?」
「はい、楽しみにしてますです」
「じゃあお家に帰ってね」
「おとそとおせちです」
笑顔で言うナターシャだった、そしてだった。
二人で家に帰った、そのうえで裕介の両親に初詣と一反木綿の話をしたが後者の話は笑って見間違いだと言われた。それからおとそとおせちを食べたがナターシャはどちらも美味しいと笑顔で言った。
大阪の一反木綿 完
2017・12・29
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