第五章
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「ベッドの中じゃね」
「ベッドの中以外でもしてますけれどね」
「まあね。昨日は学校の中でしたし」
体育倉庫の中でだ、体育の時の恰好の白の体操服と黒の半ズボン姿の佐紀と。
「他でも公園の茂みの中とかでもしたけれど」
「基本はですね」
「ベッドの中でしてるから言うけれど」
「ベッドの中の私もですか」
「大好きだから」
佐紀ににこりとして話した。
「だからこれからもね」
「一緒にですか」
「いたいよ」
こう佐紀に言った。
「一生ね」
「二人で、ですね」
「うん、そうしていこうね」
「そう言ってもらえると私も嬉しいです、魔族でもです」
ひいてはサキュバスでもだ。
「心は人間と同じですから」
「そうだね」
「恋愛もしますから」
この感情も備えているというのだ。
「ですから」
「佐紀ちゃんもだね」
「勇人さんと一緒にいたいですから」
「じゃあこれからもね」
「宜しくお願いします。それで今日は」
佐紀は契約の話から別の話に移った、その話はというと。
「何処で儀式を行いますか?」
「そうだね、部活の後でね」
「お家に帰って」
「そして佐紀ちゃんのお家に行って」
そしてというのだ。
「そこでね」
「儀式をですね」
「しようね、しかし何か最近うちにいるより佐紀ちゃんの家にいる方が多いかな」
しかも泊まりでだ、勇人の両親も承知しているので問題はなかった。
「どうも」
「お勉強もお風呂もお食事もしてますしね」
「佐紀ちゃんの家でね」
「じゃあ今夜も」
「はい、今夜はですね」
儀式のことをだ、佐紀は自分から言ってきた。
「コスプレいいですか?」
「コスプレで儀式?」
「昨日体操服でしたのがよかったですし制服でするのもいいので」
それでというのだ、今の佐紀は制服姿だ。赤いリボンが胸にある黒のブレザーと赤と白のタートンチェックのミニスカートだ。ブラウスは白だ。尚勇人の着ている制服は黒のブレザーと白のブラウスに薄いブラウンのズボンというものだ。
「ですから」
「じゃあ今夜は」
「コスプレで儀式を」
「一体どんな儀式かな」
「バニーガールとかですか?」
にこりと笑ってだ、佐紀はバニーガールの代表の一つを出した。
「それは」
「ううん、じゃあね」
「今夜はですね」
「そのバニーガールで儀式をね」
「宜しくお願いします」
佐紀の笑顔はにこりとしたままだった、そのうえで二人で今は昼食を楽しんだ。二人は傍から見ると完全に普通のカップルだった。実は佐紀は、だったが。
サキュバス 完
2017・12・29
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