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ハルケギニアの電気工事
第15話:領内改革!(その2−1)
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の分子を細かくして加工しやすくします。後で作ってみようと思いますが、ミキサーという練るための機械があると楽に出来ると思いますが、ゴーレムにやらせるという手もありますね。」

 キスリングさんがメモを取りながら真剣に聞いています。ウイリアムさんはキスリングさんの書いているメモを覗き込んでいます。しっかり聞いて、理解して下さいよ。

「次は混練りと言う工程です。混練りは素練りしたゴムにカーボンブラックという非常に細かくした炭素の粉や硫黄などを混ぜ込んで、製造前段階のゴムにします。」

 この辺になってくると良く覚えていないので、だんだん怪しくなってきます。

「この後、例えば長靴を作るのなら布などで膝下位の長さがある靴を作り、外側にゴムを適当な厚さに均等に塗りつけて整形します。最後に全体に均等になるように熱を加えて、含まれている硫黄を反応させて弾性のある強力なゴムにします。」

 大体こんな感じで良いはずですね。後は練金を使って調整していけば何とかなるでしょう。

「あと、靴は履く人の足の大きさに合わせて作りますが、滑りにくいように靴底も作らないといけません。下になる面に刻み目を入れた靴の大きさの型を作って、ここに少し堅めに混練りしたゴムを流し込んで整形します。これを加熱してしっかりとしたゴムにしてから、さっき作った長靴の下に強力な接着剤でくっつければゴム長靴の出来上がりです。」

 メモし終わったキスリングさんが顔を上げます。

「ずいぶん工程が複雑で多いですね。必要な数を作るのが大変だ。1人1人採寸からやらなければならないのも面倒ですね。」

「ぴったりとあった物を提供しようと思うとこうなってしまいます。もっと大雑把に0.5サント刻みで大きさを決めて作っておけば、自分の足に一番合いそうな長靴を履けばいい事になりますから、手間は省けるようになると思いますよ。同じような要領で手袋や前掛けも作ります。これで必要な装備が出来る訳です。大変だと思いますが、大切な装備ですから頑張って下さい。」

「「解りました。」」

 2人とも納得してくれたようです。

「それでは、そろそろ父上が戻られる頃でしょうから、僕は屋敷の方に行きます。後をよろしくお願いします。」

 そう言って、残った荷物からアルメリアさんに貰ったお酒を取り出して屋敷に行きます。屋敷の中に入ってみると、もう父上は帰ってきているようなので居間に行ってみます。
 居間に入ってみると父上と母上がいました。メアリーはいませんね。

「父上、お帰りなさい。」

「ああ。アルバートも無事に帰ったそうだな。安心したぞ。」

「御心配をおかけしました。申し訳ありません。それで今回の調査について報告したいのですが、母上も一緒に執務室の方に移動できませんか。」

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