暁 〜小説投稿サイト〜
とある科学の裏側世界(リバースワールド)
remember memory
ep.0002 remember memory 騎城&七草 後編
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後
謎の相手との死闘を乗り越えて1年以上が過ぎた。
大量出血にも関わらず生還できたのは奇跡だった。
俺は相変わらず姿が見えない相手をどうやって知るのかを考えていた。
俺はこの時には自分の能力に気付いていた。
名前は付加理論(エンチャントロジック)
触れたものに独自の法則を付与できる能力。

(世界に対して我儘を言う能力ってか。)

まるで恵まれない俺を皮肉っているような能力だ。
だが、便利な能力なのは確かだった。
この能力があれば瓦礫を触れるだけで片付けられる。
物に対して能力で浮力を付加することで大きな岩でも宙に浮かせることができるわけだ。

生活は少しだけ安定した。
俺に仕事ができたからだ。
雇い主の本名は分からないが、イニシャルはS.K.だ。
仕事の内容は事件後の跡地の調査。
そこでどういった内容の事件が起きたのかを調査することが今の俺の仕事になっている。
といっても第0学区は全域で事件が絶えず起きているような場所だから1件1件ごとの調査はそこまで意味をなさないだろう。
ただ、この仕事を俺が選んだのには意味がある。
1年ほど前に俺を襲った男の組織を特定する。
それが俺がこの仕事をする最大の理由だ。

今のところ判明しているのは、組織の名が「アナコンダ」だということと、大規模な暗殺組織だということくらいだ。

その後、俺はアナコンダの真相を追って証拠品が燃やされずに残ったとある屋敷を調べることになるのだが、それから少ししてこのアナコンダという組織は崩壊する。
もっとも、今の俺には知る由もない話だが。

報酬はそこそこで食べ物を普通に買えるようになった。
寝床に関しては廃墟の一角に買った布切れ数枚を敷いて少しはマシになった物があるくらいで、冬になると地下とはいえまともに眠れるような暖かさではなかった。
そんな時に姿の見えない相手は俺に寄り添って俺を暖めながら眠ってくれた。
姿は見えないのに体温はちゃんと伝わってくる。
そんなこんなで俺たちは何とか生きていた。

だが、俺は妙な変化を感じ始めていた。
日を追うごとに少しずつ相手の体温が下がっていた。
およそ一年近く経過した今だからこそ鮮明に分かることだが、体感からして感じ取れる温度が10℃くらい落ちているように感じた。

それだけではない。
感触もなくなりかけていた。
相手は気付いてないのかも知れないが、手を伸ばせばまるで何もないかのように既にそこに実体があるという感触が弱くなっていた。

◆◆◆◆◆◆

それからしばらくして俺が相手を感じ取る方法はもう寝る時に寄り添ってくれた際に感じ取れる体温くらいになっていた。

どうすることもできないと思いながら俺は眠りにつこうとした。
その瞬間、遂に俺は何も感じ取れなくなっ
[8]前話 前書き [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ