第七章 C.D.の計略
蜘蛛の襲撃
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清明院大学香取研究室
神崎たちがミラーワールドの研究をしていた、江島研究室と、同じ研究棟にあった研究室だ。
そしてこの研究室に入るには、江島研究室の前を通ることになる。
その香取研究室に、高円寺健人はかつていた。
どういう経緯で、そしてどうしてライダーになったかは不明だ。
だが、今はそれを置いておいて、彼の研究室が一体何を研究していたのか。それを見て見よう。
研究室の責任者は香取信一郎。
彼の研究テーマは「命というエネルギー」というもの。
人間の身体のエネルギーは、無論食事と呼吸から得ることで生成されている。
だが、本当にそれだけか?
生きようとする意志。
生き延びようと足掻く力。
それの原動力はどこから来るのか。
様々な動物実験の結果、身体にエネルギーがなくとも生物はそれを生み出すことがある。
いわば「火事場のバカ力」というモノだ。
そしてそれは、即ち「生命力」ともいえる。
人生80年をかけて一人の人間を動かし続けるその「命」というエネルギーの明確化。
それがこの研究室のテーマである。
高円寺健人は、その中で研究をしていた研究員である。
だが、今の世ならともかく当時はオカルトじみたその研究テーマに大学も予算を渋り、ついには閉室。
そんな研究室がこの研究棟にはいくつもあり、そして最終的に幽霊研究棟のような風体になった、というのが経緯だ。
「そんな奴がどうしてライダーになったんだ?ってか、なれたんだ?」
「それはわからないと言っているだろう」
「んで?」
かつて、江島研究室ではミラーワールドの実験を行い、その際ミラーモンスターのダークウィングが飛び出してきて、数名の研究員が犠牲となり、その場で蓮は契約し仮面ライダーになった事件がある。
ここからは推測の話だが、おそらく高円寺はそのミラーワールドの実験で、ダークウイングが飛び出してきたあの事件の時、部屋の外を通っていたのだと思われる。
そして、ミラーワールドから飛び出してきたのはダークウイングだけではなかったということだ。
実験の影響は外の廊下に接地された鏡にもおよび、そこから飛び出してきたミラーモンスターに襲われたか、若しくは引きずり込まれたかで彼は――――
「おい、どうなったんだよ」
「知らん。ここから先は推測すらできないからな」
「おいおい。それじゃあ結局何もわからないだけじゃんかよ」
城戸の指摘に、蓮が知らんもんは知らんとあしらう。
その様子にどうしたもんかなぁ、と腕を組む真司。
だが、その様子をみて溜息をつき、ひらりと手を振るのは
「あそ。んじゃ、俺は次の仕事があるから」
北岡である。
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