第七章 C.D.の計略
蜘蛛の襲撃
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そうして龍騎は段々とビルの壁に追いやられ、ついには片腕と両足を壁に貼り付けられてしまった。
好機と見たのか、スパイズはそこからだまを再び弾丸に切り替えた。
全身をバチバチと叩く弾丸を、片腕のドラグシールドで出来るだけ防ぐ龍騎。
だが、その間にスパイズは次のカードをデッキから取り出していた。
ファイナルベントのカード。
それを手にしたスパイズが、どこに手を伸ばすのか。
弾丸の中、装甲の隙間から龍騎は見た。
手を背に回す。
すると鳴りだす、ファイナルベントの音声。
そうか、なるほど。
考えてみれば、あまりにも簡単。
俺はバカかと自分を叱咤し、誰がバカだとまた頭の中でそんなコントをしながら、龍騎もまたデッキに手を伸ばす。
全身が弾丸にさらされるが、その一瞬だけでも耐えれば、あのカードが自分の手に。
しかし
「シュッ!!」
ドンッッ!!
スパイズの掛け声とともに、まばらだった弾丸が、一発の重たい「砲弾」と言える威力の玉になって放たれる。
それは龍騎の装甲にぶち当たり、ビル壁の一角を崩してバラバラに砕いた。
土煙が上がるが、そこに向かってディスパイダーの糸が射出された。
ファイナルベント・メテオカウンターの準備段階に入ったのだ。
これで敵を拘束し、回転。遠心力で思い切りGを掛けた後、それと正面衝突させるようにスパイズのキックが敵を粉砕するのだ。
だが
ボッ!!!
土煙の中に伸びていった糸を、炎が遡っていって糸の発射口を焦がした。
そのダメージに怯んで後退するディスパイダー。
ヒラヒラと宙に舞う糸が焼き千切れ、炎の雪のように周囲にチラチラと落ちていく。
その中で、ビルに空いた穴の中から、一つの音声が闇夜の鏡面世界に響く。
《SURVIVE》
「・・・・来たか」
スパイズが、一瞬でバックルに手を伸ばしてカードを手に取る。
そして手を後ろに回すが、それが回る前に光弾がその手を打ちぬいた。
バチィ!!と弾かれた手から、カードが落ちる。
その手を抑えて、スパイズが軽く笑った。
「流石に気付くか」
「お前のバイザーは背中にあるんだろ?だから、入れた時の動きが見えなかったんだ」
土煙の中から声がする。
そう、この仮面ライダースパイズのバイザー・ディスバイザーは、背面にある。
背中を守る装甲のように取り付けられたこれは、確かに相手に装填の動作を見られることがない。
なにせ、後ろに組んだ手から軽く上に放れば、後はカードが勝手に入り込んでくれるのだから。
それが、ノーモーションでカード発現をしていたかのように見えた、トリックの答え。
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