第七章 C.D.の計略
蜘蛛の襲撃
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見ると、公園の外には運転席に乗った吾郎が、窓をあけてこちらに会釈していた。
その方へと向かう北岡の背に軽く声をかけ、蓮は再び書類の頭から読み直す。
「お、おい!勝手に行くなよ!」
「はぁ・・・あのねぇ、俺は忙しいの。耳鳴りがうるさいからこっちの「音消し」に来ただけで、次の案件が控えてんだからさ」
「アイツのことまだなんもわかんねーだろ?このままじゃ」
「前と変わんない。だろ?」
「その通りだ」
北岡の返しに、書類から目を離さずに蓮が応える。
そう。
相手の素性や都合がわからない。
思惑も何も知れない。素顔すらわからない場合もある。
だが、戦った。
自らの命と願いのために、そんなものは構わないと戦ったのがこの者たちだ。
それとなんら変わらない。
襲ってくるなら戦うまで。倒すまで。
命を奪うのは確かに必要ない。
できればそれはしないが、あくまでその程度。
自分の命より優先する必要がどこにある。
「お前な、相手の素性知ったからって「じゃあ倒されてあげる」なんて言えんの?」
「こいつはそういう奴だ。そのせいで、オレ達のライダーバトルもずいぶん引っ掻き回されたからな」
「そうだったそうだった」
クックと笑いながら、今度こそその場を後にする北岡。
呼び止めようにも、真司には言葉が見つからず、二、三歩で足が止まり、結局公園のベンチに再び腰を掛けてしまう。
「ったく、お前らホントに勝手なのな」
「オレ達から見ればお前のほうが勝手だ」
「他のライダー達を見習えっての!!」
「オレ達は別に仲良しこよしの集まりじゃない。たまたま同じような力を持ったから、集まって話した方が効率的なだけだ」
「・・・なんだかなぁ」
そう言って、ベンチにゴロリと寝転がる真司。
陽ざしは程よく暖かく、自然と瞼が降りていき、いつの間にか真司は眠りに入ってしまった。
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「ハッ!?」
目覚めると、周囲は真っ暗になっていた。
時計を見ると、時刻はすでに9時を回っている。
昼間喧しかったパトカーは静かになっており、遠くに見える東京タワーの明かりが少しおかしい気がするが、いつもと変わらぬ夜の公園。
蓮はすでにおらず、どうやら自分は置いて行かれたらしい。
「あのヤロ〜・・・・」
だがそんな恨み言を言ってもしょうがない。
トボトボと歩いて大学前に止めたバイクのところまで引き返す。
しかしバイクはバイクで大学内に持ち込まれており、しかも大学の門も締まっている。
えぇー
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