第七章 C.D.の計略
蜘蛛のライダー
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彼を救い出そうと即座にファイナルベントのカードを取り出した。
戦いを止める。
以前とは違い、彼にはれっきとした願いがある。
もはや、ためらわない。
戦いを止めるためなら、戦って見せる。
だが悲しいかな。
すでに発動したファイナルベントに対し、龍騎のそれはもはや遅い。
ディスパイダーがその体躯を振り回すように回転し、それに伴って糸に絡まったナイトがぶん回されていく。
その強烈な遠心力によって身動きの取れないナイト。だが、脱出しようとデッキに手を伸ばしてサバイブのカードを取り出す。
「間に・・・・合えぇええ・・・!!」
「遅い」
凄まじい遠心力をもって振り回されるナイト。
そしてそれが最高潮に達したとき、ナイトが地面すれすれに落とされ、カウンターで蹴り飛ばそうとスパイズがハイキックを繰り出して
ドォッ!!ドッ、ドドドドドドォォッ!!!
「ギィイイイイ!!!」
「何っ!!」
ディスパイダーの身体を、無数の爆発が襲い掛かった。
龍騎ではない。
無論、ナイトでもない。
爆発によって糸がブチリと千切れ、ナイトの身体が宙へと放り出される。
契約モンスターナイトウイングを呼び、滞空して堪えたナイトは、一体何があったのかと周囲を見回し
「あれは・・・・」
少し離れた、大学本校舎。
その屋上に、巨大な筒を構えた緑のライダーが立っているのを確認した。
「ゾルダ・・・北岡か!!!」
『何やってんの。いったん引くよ』
「EARTH」から支給されていた通信機越しに、北岡の声がして彼は姿を消した。
同時に、ナイトは龍騎の肩を掴んで鏡面に飛び込む。
ライドシューターで鏡の中を走り、別の鏡面から現実へと脱出するのだ。
一方、爆発で敵を逃したスパイズ―――高円寺は、変身を解いて周囲を見渡していた。
「逃がしたか・・・・まあいい」
少し悔しそうな顔をし、しかしすぐに元の表情へと戻る。
目は気怠そうなジト目。口元は微笑んでいるかいないかの間くらい。
短髪をガシガシと掻き、彼もまたこの異世界の中にひっそりと姿を消した。
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「まったく。耳鳴りがしつこいから行ってみれば、何やってんのよ、あんたたちは」
「うるさい」
「くっそぉ・・・あいつ、何もんなんだよ!!」
都内の公園。
ひっきりなしにパトカーが走り回っているが、周囲を囲む木々がそれを緩和してくれている。何やら暴走族の一人を探してるとか何とか報道がされている。
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