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世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
蜘蛛のライダー
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掛かり、捕まえようとする龍騎。
だが、それに対して大した脅威も感じていないのか、男は静かに振り返る。


「捕まえ・・・ってぇ!?」

「どうした?龍騎。まるで幽霊でも見たような声を出して」


龍騎の足元には、糸に絡まったナイト。
だが、龍騎は彼を助けるよりも、自分の手を見てワナワナと震えていた。


触れなかった。
フゥッ、と消えたと思ったら、あいつは自分の脇に立っていたのだ。


幽霊でも見たかのような声ではない。
本当に幽霊かと思うほどの、動き。



「お前・・・人間?」

「失礼な。れっきした人間だ。高円寺健人という名前もある」


そこで、糸から脱したナイトが立ち上がる。
この男が、恵理の言っていた男。


だが、なぜこの男が。
ライダーに変身もしていないこの男が、ミラーワールドでモンスターを使役しているのか。




「疑問をたくさん抱いているような顔だな。だがまあいいじゃないか。重要なのは、君たちの前に私がいて」

バッ!!ギシュゥン

「私が君たちと戦う。それだけだろう?ライダー」

取り出されるライダーデッキは左手に。
ここはすでにミラーワールド。前にかざしただけで、その先に鏡面がなくとも彼の腰にはベルトが装着されていた。


そして、左手を引いて右手を上げる。
ゆっくりと下ろしていく腕に力が込められて、キュバッ!とそれを真横にして

「変身!!」

ガチッ、とデッキがバックルに。
同時に無数の残影が高円寺の身体を包み、その体を仮面ライダーへと変貌させた。


契約モンスター通り、蜘蛛の意匠をあしらったライダー。

メインカラーは青みがかった黒。
だが、掛かる青みはナイトのような澄んだ青ではなく、毒々しい色をした青だ。

そこに、黒のストライプがちらほらと走る。

バイザーは龍騎のような装甲一体型なのか、そのライダーは何も握っていない。



背後にディスパイダーが寄り、そのライダーは後ろに手を回して改めて自己紹介をした。



「よろしく。ライダー龍騎、ライダーナイト。私は、仮面ライダー・・・・スパイズ」

《final vent》

「そして、戦いを必要とするもの」

「「ッッ!?」」


話の流れに乗って、突如として発動されるファイナルベント。
一体いつの間にバイザーにカードを装填したというのか。


考える暇もなく、ナイトと龍騎がその場を飛びのく。
だが、先ほどの戦いの続きだからか、ディスパイダーは迷うことなく龍騎に糸を吐き掛けた。


「城戸!!」

「うぁっ!?」

が、それを突き飛ばしたナイトが、彼の身代わりとなって捕縛。
転がった龍騎は、
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