第七章 C.D.の計略
蜘蛛のライダー
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糸の焼却に腹を立てたのか、ディスパイダーは怒りの矛先を龍騎に向けた。
同時に、ガードベントで取り出したドラグシールドを展開して圧し掛かってくるその巨体をこらえる龍騎。
押し潰そうとするディスパイダーのその背に向かって、ナイトの飛翔斬が命中し、こいつは爆散する。
ついでに龍騎も拾って、その場を離脱していこう。
だが、そんなことにはならなかった。
否。
出来なかった。
「よし、後ろだ」
「ギィッ!!」
突然聞こえてきたその指示に、ディスパイダーの人型部が後ろを振り向き、糸を吐き出してナイトへと攻撃したのだ。
しかも、今までの一本糸とは違い、蜘蛛の巣のようなネット状。
ナイトは容易に絡まり、命中させることなく地上に落ちた。
「バカな・・・・!」
飛翔斬は、剣を下方に構えて回転しながら敵を貫く技。
確かにああいった形で糸を吐き出されれば絡まるが、その前に引きちぎれるはずだ。
だが、それがない。
この個体は強い。いや、強いというよりは・・・・
「ライダーと契約したモンスターは、実際には支配されているに近い」
「ッ!?」
突如として聞こえてくる声。
ディスパイダーの巨体を支える龍騎にも、地面を転がり身動きの取れないナイトにも、その姿は見えない。
「だが、デメリットということばかりではない。契約の結果、モンスターは強化され、餌にも定期的にあり付ける。生存率が上がるってことになる」
「お前が・・・・まさか」
「初めまして、秋山君。大学時代では、二、三度すれ違うくらいの面識しかなかったけど」
「お前、高円寺か!?」
「ん・・・・?ああそうか。君は恵理ちゃんから聞いたのか。そう、俺が高円寺だ」
ディスパイダーが邪魔で見えない。
地面に転がって、背中を向けてしまって見えない。
だが、確かにそこにいる。
この男は、その口調から察するにこのディスパイダーと契約をした仮面ライダーだ。
だが、ちらちらと見えている龍騎はその異常な点に気付いた。
この男は、白衣を着ている。普通のズボンに、ワイシャツ、ネクタイ。その上から羽織っている。
変身していないのだ。
このミラーワールドでは、ライダーに変身しなければ人間など1分持つか持たないかで消滅するというのに。
その異常性を目の当たりにしながら、龍騎が腕の力をフッと抜いた。
そしてできた一瞬の隙間から、崩れるように地面を転がり、高円寺の元へと駆けていく。
武器はいらない。
人間相手なら、ライダーに変身しているというだけで優位だ――――
「ハッ!!」
「なるほど」
こちらに背を向けている高円寺に飛び
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