第七章 C.D.の計略
暴君の城塞
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クを掴んでそれを片手で引き摺りながら、東京タワーの麓へと向かっていく。
その背中に向かって、ついに発砲する警官数名。
だがダメージはなく、火花が少々上がったくらいで終わる。
そして、一気に振り返って引き摺っていたバイクを後方のパトカーに向かって放り投げた。
ドガシャァ!!という音がして、直後警官がパトカーから離れると、それは轟音を立てて爆発して、周囲に炎を撒き散らしてその場を照らし出した。
そして、タワーへとないも足を進め、邪魔なパトカーを押し蹴りで退かしてそれをひしゃげさせる。
バシッ!!と、スマホ――――名前を付けるのならばスクエアフォンから、このライダーの強さの源ともいえるマーカーを、タワーの足の一本に打ち込んだ。
そこから、さらに反対側の足に向かって一発。左の足にもう一発撃ったところで、彼の名が呼ばれて振り返る。
「呉木田ッ!!」
「お前、何しようとしてんだ!」
背後に現れたのは、巧と翼刀。
三原と海堂は、検問を回っていたのでまだここに来るまで時間がかかる。
その二人は、バイクで炎を飛び越えてここまで来て、停車と同時にその背中に叫んでいたのだ。
それに対して、クルリと振り返った呉木田は
「何をだってぇ?何もできねぇとか言ってたくせに、俺に何かできると思ってんのかぁ?」
「・・・・は?」
「何をするつもりかだと!?さっきまでお前は何もできないだとか何とか言いながら、今度は何かできるとでも思ってんのか!?お前らの、そういう一方的に「出来る」「出来ない」の言葉になァ・・・・俺ァずっとずっといらだってんだよ!」
そんなことを叫んで、バッ!とこちらに手を向けてきた。
すると、そこから発せられたエネルギーが二人の足元でスパークし、近づこうとする二人を遠ざけた。
「勝手なこと言いやがってよ。お前ら人の評価できるほど偉いのかよ!!頑張って頑張って、それでダメな奴だっているのにそれを「お前は屑だ」と切り捨てられる奴の気持ち、わかんのか?あぁ!?」
「・・・・劣等感、か」
呉木田の叫びは、彼の行いやそれとはともかく、まっとうなものでは一応ある。
結果は大事だ。
だがすべてではない。
しかし、満足するそれを出せないとわかるや否や、イコールそれはだめな奴というレッテルを張られる社会。
呉木田は、そんな社会や教育の被害者だとも言えるのかもしれない。
そんな彼に、巧は言葉を漏らす。
「そう・・・だよな・・・・」
「あん?」
「がんばって頑張って、それでダメだった瞬間に全部否定される。そりゃあつらいよな・・・・」
彼の経験がある。
というのも、もともと彼は人付き合いのいい人間ではなかったこ
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