第七章 C.D.の計略
理解されない苦悩
[1/10]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
正午から、時間もそこそこ過ぎたころ。
昼飯には遅く、しかし晩飯には少し早いくらいの時間だ。
応急処置をしたものの、病院で検査をして出てきた海堂と、それに付き添う三原。
また仮面ライダーですかと話す看護師さんにちょっかいを出しながら、外に出てきた彼だがサイドバッシャーのところまで来てガンッ!と拳を叩き付けた。
「あー、くそ。あのクソガキ一発ぶん殴ってやる」
「でも、ライダーズギアで変身したってことはオルフェノクですよね?」
「ああ。おおかた、自分の力に酔ったバカ野郎なんだろうよ」
「おぉ。海堂さん、さすが」
「どゆ意味だコラぁ」
苦い顔してそんな反論をする海堂だが、かつては彼もオルフェノクの力に酔っていろいろしてきた人間だ。
おそらく、相手の男の気持ちの片鱗ぐらいはわかるのだろう。
そんなことを放していると、バイクが一台駐車場に入ってきた。
おっとっと、とその場を軽く退く二人だが、そのバイクは彼らの前に来て止まった。
そして、降りてきた青年を見てその来訪に驚いた。
「翼刀じゃねーか」
「どうしたんだい?」
バイクから降り、ヘルメットを外したのは二人もよく知る人物だった。
鉄翼刀。
その彼が取り出したのは、何らかのデータのようだ。
「多分、二人が追っているのはこの人だと思います」
「ん?知ってんのか?」
「ええ。たぶん、間違いないかと。今、巧さんも走り回ってると思いますよ」
そう言って端末に映し出されたのは、ある男の情報だった。
------------------------------------------------------------
蒔風から見せてもらったあの映像を元に警察などで照合してもらった結果、男の身元が判明した。
男の名は、呉木田浩司。
歳は19歳。
高校の時からバイクに乗っており、いわゆる「暴走族」の一員だったこともあるそうだ。
不良生徒、という肩書が一番しっくりくる。
現在は無職。
日々のアルバイトをするか、親からの仕送りで生活しているらしい。
現在彼のバイク仲間は連絡は取れない。
ただ、あのコンビニに映っていた映像からして、無事でいるかどうかは定かではない。
だが、オルフェノクであるという報告は来ていない。
生まれながらに少なからずその因子を持っていたのか、それとも申告のないオルフェノクだったのか。
「とにかく、今俺らはこいつを捕まえようとしています」
「なんだ?「EARTH」が動くほどヤバいのか?」
「うーん・・・なんていうかですね・・・こいつ、そんなにヤバい考えを持ってるやつではないんですよ」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ