第七章 C.D.の計略
理解されない苦悩
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「バハッ!?」
しかし、スクエアの目論見は熟練された翼刀の動きによって粉砕された。
拳はいともたやすく弾かれ、それによっておこった爆発は、直後に捕まれた頭部へと、不動拳で威力だけをぶち込まれる。
掴まれただけだというのに、爆発の衝撃を喰らったスクエアはもう何が何だかわからないまま、自身のバイクまで吹っ飛んだ。
「が・・げぇええ!!くそ、くそォ!!」
「大人しくしとけって。もうお前には何もできねぇから」
バイクに手をかけ、這い上がるように体を起こすスクエア。
しかし、その最中で変身が解けてしまいいよいよ万事休すとなってしまう。
だが
『お前には何もできねぇから』
その一言が、彼の過去の記憶を呼び覚ます。
お前はだめだと言われ続けた。
何もできない奴だと言われた。
素行も悪い、頭も悪い。お前はほんとに駄目な奴だと言われた。
それが、このベルトをもらってからは見違えたようだった。
とても楽しかった。
あなたは素晴らしい力を持った人だと言われた。
何でも好きなことができるようになった。
180度転換した俺の人生を、またお前らはどん底に落とすのか。
俺だって頑張った。
中学だって、高校の最初の2年だって、俺は必死に頑張ったんだ。
だけど、何もできなかった。
屑だと言われた。莫迦だと言われた。ゴミだともいわれた。
ついには親にも出て行けと言われた。
金だけ出してやるから、どっかで暮せと言ってきた。
ああそうかい。
アンタらがそういうのならよ、そうなってやろうじゃねーか!!!
そう言って突っ走ったこの2年。
ついに光が見えたと思ったのに、またこれかよ。
ふざけんな
ふざけんなふざけんなふざけんな!!!
「ま、待ってくれよ!!あんたらだってオルフェノクだろ?なんでそんな人間の味方してんだよ!!」
そう言って、バイクのエンジンをかけて即座にその場を後にする呉木田。
その後を目で追い、即座に通信機をつなげる。
「呉木田が逃亡した!!検問は引き続き実施。見つけても手は出さず、現在位置を知らせてください!!」
「まずいな。あいつ、何しだすかわかんぜぇぜ?」
「ああいう手合いが厄介だからな・・・乾君は、どうする?」
「・・・・俺はあいつを探す」
「そりゃそうだけど」
「あいつ、世の中諦めた目ェしてやがった」
「・・・・?」
「それが、俺には気に食わねぇ」
巧はというと、それだけ言ってやってきたオートバジンに跨った。
あの眼には見覚えがある。あんな感じの奴を、俺は知っている。
だったら、あいつを
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