第5章:幽世と魔導師
第139話「少し違う転生者達」
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も回復されるだけってか?めんどくせぇ」
レヴァンテインで斬り、グラーフアイゼンで叩くが、木曽龍神はびくともしない。
僅かについた傷も、たちまち修復されてしまった。
「来よ、白銀の風、天よりそそぐ矢羽となれ!」
―――“Hraesvelgr”
そこへ、さらに距離を取っていたはやてによる砲撃魔法が炸裂する。
『あ、あんまり効いてないですー!』
「っ、あの巨体やもんなぁ……」
しかし、それすらも全然効いていない事に、リインとはやては戦慄する。
「日本中が妖だらけとなると、ここで大きく消費はしていられませんが……」
「そうゆーても、これやとなぁ…」
力の出し惜しみをすれば、逆に消費が大きいと悟る。
故に、全力で戦うべきだと、はやては腹を括った。
「だいぶ進んだが……さて…」
時刻は既に夜。人気のなくなった街を歩く鞍馬と葉月。
「………」
まだ余裕そうな鞍馬に対し、葉月は疲労が溜まっていた。
式姫と人間では、基礎的な体力が違うからだ。
「ふむ、騒ぎになっているから仕方ないものの、食料や寝床の考えもなしに出発は些か拙かったか?」
「……そう、ですね……」
妖に慣れていた昔はともかく、今は阿鼻叫喚とも言える騒ぎになっている。
そのような事態であれば、例え24時間営業の店でも閉まっている。
「既に誰もが逃げてしまった後とはいえ、勝手に使うのはいただけない。どうするべきか……」
「…大きな店は、そのまま避難場所になっている場合があります。そこに行けば…」
「それがあったな」
食料と寝床の問題は体調管理の意味でも深刻だ。
だからこそ、どうにかして休むべきなのだが……。
「……しかし、私達が妖を引き付けてしまいます」
「……そうだな」
「避難場所になっていない店を使いましょうか……」
霊力を人並み以上に持つ二人では妖を引き寄せてしまう。
故に、人気のある場所には行けなかった。
「幸い、お金なら持っています。食料分のお金は置いておけばいいでしょう。……寝床も、荒らされて使い物にならないものを使いましょう」
「緊急時故、仕方ないか」
そうと決まれば、二人は休むための店を探した。
「……これだけあれば十分だろう」
「そうですね」
拠点の店を決め、食料も確保した二人。
なお、食料を確保した後、葉月が財布を見て表情を暗くしていたのは余談である。
「しかし、夜は妖の動きが活発になる。見張りは必要だ」
「はい」
妖は夜に活発に動くため、
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