1.第一発見者は日奈子
桂木 日奈子はどこにでもいる平凡な女子高生……だったが、ある日を境界に、殺人事件に遭遇する体質になってしまった。
今も、日奈子の目の前に、殺人事件の被害者の遺体が転がっている。
「き、きゃあああああ!」
日奈子はとりあえず悲鳴を上げた。
すると、すぐに人が何人か集まってきた。
「君、一体何が?」
日奈子はわなわなと震えながら、遺体を指差す。
「うわ!」
遺体は血だらけだったが、背中に刺し傷があるのが窺える。
現場は道端に設けられている男女共用の公衆トイレである。
帰宅途中、催した日奈子がトイレに入ろうとして、ドアを開けたら、男性の遺体が倒れていたのである。
「なるほど。これは物取りの犯行ではなさそうだな」
と、いつの間にか遺体を調べている男子高校生。
我に返った日奈子は、男子高校生に言う。
「あんた何してんのよ? 警察が来るまで遺体に触れちゃ──」
「ああ、大丈夫大丈夫。いつものことだから」
「はあ?」
「それに、警察ならもう来るよ」
男子高校生はそう言いながら、手慣れた手つきで被害者の男性を調べている。
ウォンウォン……──と、パトカーのサイレンが近付いて来る。
パトカーが到着すると、サイレンは止んだ。
ドアが開き、捜査員が出て来る。
「古谷くん、また事件に遭遇したのかね?」
小太りで白髪の刑事がトイレから出て来た男子高校生に訊ねる。
「古谷? もしかしてあんた、あの有名な高校生探偵の古谷 総司(ふるや そうじ)!?」
日奈子は驚いて戸惑う。
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