暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
変わり揚げでマンネリ脱出?・その2
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
、天龍はガブリとフライに噛みついた。フライの中程まで歯を入れると、そこからムニュ〜っと引っ張ってわざとチーズを引き延ばす。そしてそれを舌で絡め取っていく。

「……行儀悪いぞ?お前」

「別にいいだろ〜?折角のとろけるチーズなんだから、これやらなくっちゃ勿体無いぜ」

 なんつうか、こういう所が天龍のガキっぽい所というか、憎めない所というか……。




「それよりさぁ、親父」

「何だよ、改まって」

「龍田ってさ……恐いよな」

 唐突にポツリと、そう呟く天龍。その顔は若干ではあるが、青褪めているようにも見える。

「実の姉だから言うけどよ、なんつーか……こう何を考えてるか解んねぇ時があるんだよな、たまに」

「そうかぁ?」

「そうだよ!それに、怒るとスゲー怖いし」

「サドっぽい所とかか?」

「そう!なんかこう敵とか親父にも容赦ねぇ時があるじゃんか」

「天龍、そりゃ考えすぎだ。少なくとも、龍田のドSキャラは演技だと思うぞ?」

「えぇ〜?まっさかぁ……」

「だってこの間な……」

    〜これより回想シーン〜

龍田「提督、おはようございます〜」

提督「へいへい、おはようさん」

暁「うにゅ……おはようございましゅお母さん」←寝起き

龍田「あら〜?あらあらあら〜?私暁ちゃん位の娘がいるくらいのオバサンじゃないわよ〜?」

提督「別に良いじゃねぇか、最近若く見える女なんざゴマンといるしな。なっ、お母さん?」ニヤニヤ

龍田「ちょっと提督〜?怒りますよ〜?」

神風「そうね、龍田さんは優しいし面倒見がいいから、とってもいいお母さんだと思うわ」 

龍田「か、神風ちゃん!?」

電「い、電もそう思うのです!」

龍田「電ちゃんまで!?」




 そこからあれよあれよと駆逐艦が集まって来てなぁ。龍田を囲んでお母さんコールの大合唱よ。そしたら龍田の奴、赤くなってプルプルし始めてなぁ。

『か、勘弁してくだひゃいぃ〜』

 って甘噛みしながら逃げてったんだよ。

       〜回想終了〜



「天龍、どう思う?」

「……なんだよその可愛い龍田!俺は見た事ねぇぞ!?」

「恐らくだが、お前の前だと恥ずかしくて出せないんだろ?自分の素が」

「なんか、それも寂しいなぁ……」

 少し悲しそうに呟いて、ビールを煽る天龍。そこでドアベルがカランカランと音を立てた。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ