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水の国の王は転生者
第四十四話 白の国へ
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に対し、アルビオンの武威を示そうとしているのでしょう」

「やはりな……」

 マクシミリアンはニヤリと笑った。
 最近のトリステインとアルビオンの関係からして、

『血の気の多い貴族連中ならやりかねない』

 とある程度読んでいた。

 もっともアルビオン王国全体の姿勢とまでは思っていなかったが。

「艦長。『もし』……そう、もしロイヤル・ソヴリン号と一戦交えるとしたらどう戦う?」

「それは……」

 ド・ローレルは、あごに指を当て少し考え、そして……

「あの巨艦といえども所詮は木造です。火の魔法か、もしくは……」

 ド・ローレルは甲板に設置してある、とある装置に目を向けた。

「ロイヤル・ソヴリン号は見た目は大きくとても恐ろしく感じますが所詮は鈍足な帆走戦列艦。大砲の射程も短く既存の戦列艦では数を用意しないと攻略は難しいでしょう。しかし我がベルギカ号ならば、水蒸気機関の快速を生かして射程内に入らないよう翻弄し、本艦最大の牙である多弾装ロケット砲で敵の射程外から攻撃し続ければ、あの木造艦は良く燃えることでしょう」

「では竜巣艦からの竜騎兵が、ガッチリとロイヤル・ソヴリン号を守っていた場合はどうする?」

「その場合はお手上げです尻尾巻いて逃げます。あくまで艦と艦の一騎打ちという戦場では滅多にない状況での事ですので」

「そうか……」

 マクシミリアンとド・ローテルは、向かい合って苦笑いを浮かべた。

「あの、この状況、どうするつもりなんですか?」

 蚊帳の外だったカトレアが心配そうに言った。

「どうもしないよ、カトレア。敵はあくまで威圧のみだ。攻撃なんてしてこないよ。一発でも大砲を撃とう物ならそれこそ戦争だ。『一発だけなら誤射かもしれない』なんて寝言通じないよ」

「ですが、先ほど尻尾を巻いて逃げると艦長が……」

「王太子妃殿下。この状況でその様な戦闘状態に陥れば、アルビオン王国は全世界に恥をさらすことになります。国賓である王族を寄って集って攻撃するような国など、どの国も国交を結ぼうとは思わないでしょう? それどころか世界を敵に回しかねません」

「そういう事だカトレア。安心したかい?」

「はい、でもやっぱり怖いです」

「僕なんかワクワクするけどね」

「でしたら王太子妃殿下は部屋にお戻りになられたほうが……」

「そうだな、セバスチャン。カトレアを頼む」

「ウィ、殿下」

 カトレアはセバスチャンとメイドらに伴われ自室へ戻っていった。

「せっかく、アルビオン大陸に掛かる霧を、一緒に見られると思ったのに」

「心中、お察しいたします」

「ありがとう。でも、このままやられっぱなしなのは性にあわない」

「王太
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