第四十四話 白の国へ
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朝食に出された。
ポークビーンズは、普通の献立ではトマトを使うがハルケギニアではトマトは無い為、他の食材で作られる事になった。
「うん、いける。カトレアはどう? 口に合うかい?」
「美味しいですけど、ちょっと味が濃いですね」
カトレアの口にも、そこそこ合った様だった。
「セバスチャン。ロサイス港にはいつ頃着くだろうか?」
「予定では昼前には到着するとの事でございます」
「そうか、朝食が終わったら、また甲板に出ていようかと思っている」
「では、艦長殿にはそのように報告をさせておきます」
「うん、任せた」
マクシミリアンは、早々にポークビーンズを平らげ、ナプキンで口元を拭いた。
「マクシミリアンさま、早いですわ」
「僕は、紅茶を飲んでいるからゆっくりと食べててよ」
「そうさせていただきますわ」
カトレアは食事を続けた。
……
カトレアも食べ終わり、二人で食後の紅茶を楽しんでいると、何やら艦内全体が騒がしくなり、ついには異常を知らせる鐘の音が鳴り響いた。
「マクシミリアンさま。これは……」
「何かあったようだ」
「王太子殿下、様子を見てきますので部屋でお待ちください」
「分かったセバスチャン。頼んだよ」
セバスチャンは一礼すると部屋を出て行った。
室内にはマクシミリアンとカトレア、そしてカトレアのメイドの二人が残された。
「何があったのでしょう……」
「分からないが、ただ事ではなさそうだ」
10分ほど待っていると、セバスチャンが戻ってきた。
「どうだった?」
「大艦隊が我々の行く手を塞いでいる様でございます」
「大艦隊? アルビオン艦隊か?」
「おそらくは……」
「よし、甲板まで上がる」
「マクシミリアンさま。わたしも着いて行きます」
「分かった。行こうカトレア」
二人は部屋を出て行くと、セバスチャンとメイド二人も後に続いた。
甲板に出た二人は、ド・ローテルの姿を探すと彼は下士官達に指示を出していた。
「艦長! 先ほどの鐘は何事か!?」
「これは殿下。艦首前方をご覧下さい」
「あれは……」
ベルギカ号の行く手には、大小合わせて100隻を越すアルビオン王国自慢の大艦隊が浮遊していた。
「すごい数ですね……」
「艦長、あの大艦隊の中、一際目を惹く巨艦。たしか『ロイヤル・ソヴリン号』だったな?」
「その通りにございます。ハルケギニア広しといえども、200メイルを越すあれほどの巨艦。まさしくロイヤル・ソヴリンに相違ないかと」
「雰囲気からして表面上は歓迎の形を取っているが、その本音は……」
「王太子殿下
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