暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1919話
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「なぁ、本当にこんな場所でいいのか? 何なら、沖縄とかにでも日帰りで行けるぞ」

 東京から少し離れた場所にも関わらず、現在俺とゆかりの……そして犬の前に広がっているのは、草原と呼ぶに相応しい光景だった。
 少し……本当に少し東京から離れただけなのに、こんな光景が広がっているというのは少し予想外だった。
 まぁ、世界でもトップクラスの人口密度を誇る大都市、東京。
 だが、そこから少し離れただけで、そこには自然が広まっているのだ。
 ……折角の自然だからという事で、長鳴神社に寄って犬を連れてきたんだが、その犬の方もいきなり目の前の景色が変わった事に驚きつつ、今は興味津々に周囲の様子を眺めていた。
 うん、やっぱりこうして見る限りだと、犬は自然の中で走っているのが一番似合うな。
 だが、ゆかりに言ったように、俺の影のゲートがあれば、それこそ沖縄にだって日帰りで行ける。
 それどころか、沖縄じゃなくて海外にだって日帰りで移動出来るのだ。
 日帰りの海外旅行……近い場所とかなら出来そうだが、オーストラリアとかイギリス、フランス、アメリカ……そんな場所だと日帰りで帰ってくるのは不可能だ。
 いや、そもそもパスポートとかも持ってないから、色々と微妙な感じがしないでもないが。
 もし何かミスってパスポートの提示を現地の警察に要求された場合、間違いなく大きな騒動になるのは間違いない。
 いっそ、桐条グループの力を借りて、パスポートを作るか?
 一応戸籍は用意されてるんだから、多分パスポートの方も特に問題なく作れると思うんだが。

「いいのよ。折角の春なんだから、春らしい雰囲気でゆっくりしたいと思ってもおかしくないでしょ?」

 普段の気を張っている表情とは違い、どこかリラックスした様子で草原を見るゆかり。
 遠く離れた場所には山もあり、太陽の光が緑の葉を色濃く映し出している。
 ……まぁ、ゆかりが満足してるなら、それでいいか。
 出来ればもっと驚かせたりしたかったんだが、こういうゆっくりとした時間ってのも悪くはない。
 特に最近は色々と忙しかったからな。テスト勉強とか、タルタロスとかそういうので。

「わん、わん!」

 俺とゆかりが話をしていると、草原を駆け回っていた犬がそう吠えてくる。
 一緒に遊ぼうと、そう言っているのだろう。
 最初は神社からいきなり違う場所に移動した事でかなり驚き、周囲を警戒していたのだが……周囲には特に何か危険な存在がいる訳でもないと悟ると、この草原は犬にとっていい遊び場所となった。
 一応境内で毎日のように走り回っている犬だったが、たまにはこういう自然一杯の場所で走りたくなってもおかしくはないのだろう。
 勿論、犬に直接聞いた訳じゃない以上、本当はどう思っているのかというのは分からなか
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