ペルソナ3
1919話
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ているのは半ば妥協の産物と言ってもいいだろう。
「桐条先輩なら……」
何かを言い掛け、ゆかりの言葉が途中で止まる。
それが何を意味しているのか、俺は理解出来た。
桐条美鶴という個人は、ゆかりにとっても既に友好的な存在だと言ってもいい。
だが、それはあくまでも桐条美鶴という人間だけであって、話が桐条グループという事になれば、やはりゆかりにはまだ色々と思うところがあるのだろう。
もっとも、今の俺達は色々と桐条グループの世話になっているのも事実なのだが。
シャドウについての情報しかり、タルタロスで宝箱からゲットした代物の解析しかり、俺の戸籍しかり。
ああ、それとゆかりの矢の補充とか、そういうのもあったな。
ともあれ、今の俺達が楽にタルタロスを攻略出来ているのは、間違いなく桐条グループの力がある。
……ゆかりにしてみれば、その事はやはり気にくわないのだろう。
ただ、文句を言ってもどうしようもないと理解しているからこそ、それ以上は口にしないだけで。
「アクセル、ちょっと早いけどお昼にしない?」
「そうだな」
話を誤魔化すように、そう言ってきたゆかりに言葉に頷く。
もっとも、ゆかりにとっては本当に腹が減ったというのもあるのかもしれないが。
ともあれ、俺は空間倉庫の中からサンドイッチを取り出す。
スーパーでいつも俺が買ってるような、ただのサンドイッチではない。
美味いと評判のパン屋で特別に注文して作って貰ったサンドイッチだ。
カツサンド、卵サンド、野菜サンド、ハムサンド、ツナサンド、ポテトサンド、エビアボガドサンド……それ以外にも様々なサンドイッチが、一口サイズで盛りつけられたサンドイッチ。
「うわぁ……」
ゆかりも、こんなサンドイッチが出てくるとは思っていなかったのか、驚愕していた。
まぁ、大きな皿の上に幾つものサンドイッチが綺麗に並べられていて、味だけではなく、目でも楽しませてくれるサンドイッチだしな。
……そんな風に思いながら、俺はもう一つのサンドイッチを取り出す。
こちらは一口サンドと違い、大きめの――正確には普通サイズの――サンドイッチだ。
ただ、中身が違う。
サンドイッチに挟まれているのは、A5ランクの高級牛肉をビーフカツにして作ったカツサンド。
パンとビーフカツ、キャベツの千切りと薄くスライスしたタマネギという酷くシンプルなサンドイッチだが、その値段は……ちょっとサンドイッチという言葉では考えられない値段となっている。
しかも出来たてを空間倉庫の中に入れておいたので、衣は未だにサクサクのままだ。
実は一口サンドもだが、このビーフカツサンドが今日の俺にとってはメインディッシュだったりする。
勿論一口サンドの中にもカツサンドはあ
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