暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第三十四話 大魔術師ガンダルフその十一
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「溺れないことだよ」
「溺れないから破滅せんな」
「儲けられるんだよ」
「博打は稼ぐ手段の一つか」
「あくまでね」
「割り切ってるんだな」
「だから事前に調べたり勉強してるんだよ」
 そうして挑んでいるとだ、淳二は久志に話した。
「あっちの世界のパチンコなり何なりね」
「それでやって稼ぐか」
「そうそう、はっきり言って仕事と同じだよ」
「ギャンブラーも職業ってことか」
「雀士にしてもね」
「その辺りシビアなんだな」
「遊んで儲けられるかっていうと」
 それはどうかというと。
「真剣に遊ばないとね」
「儲からないか」
「そういうものだよ」
「わしの友は一旦負けだすと頭に血が上ってのう」
「勝つまでだね」
「のめり込んでな」
「それは一番よくないね」
 ギャンブルについてはとだ、淳二はガンダルフに断った。
「何ていっても」
「そうじゃな」
「溺れないことはギャンブルに限らず何でもだけれど」
「頭に血が上ってのめり込んではじゃな」
「冷静になってないから状況も見えていないし」
 行っているギャンブルのそれをだ、カードにしてもルーレットにしても状況を冷静に見ずしてはというのだ。
「負けるよ」
「そうなるものじゃな」
「絶対にね。何があっても熱くならない」 
 つまり頭に血が上らないことだというのだ。
「それで勝とうと思ってもね」
「のめり込まんことか」
「勝とうと思わないでやるから勝つっていう人もいるしね」
 淳二は言いながらある人物を思い出していた。かつて阪急ブレーブスにいた足立光宏というピッチャーだ。競馬が趣味で強かったが勝とうと思わずしていたという。
「まあ要するにね」
「それだけ冷静にじゃな」
「やっていかないとね」
「いかんな」
「そう、本当に熱くなったら」
「止めることか」
「うん、ただそのお坊さんは」
 ガンダルフの友人である彼のことを思い言った。
「何かお坊さんにはね」
「思えんか」
「すぐに熱くなってギャンブルにお酒に女の人だね」
「何でも好きじゃ」
「そんなのだと」
 どうにもというのだ。
「お坊さんに思えないよ」
「わしも時々そう思う」
「幾ら学識と法力があってもね」
 それでもとだ、淳二は首を傾げさせつつ言った。
「そうした人は」
「僧侶の性格ではないな」
「本当にお坊さん?」
「信じられないが」 
 その通りだというのだ。
「そうなのじゃよ」
「ううん、修行中に性格がなおらなかったんだ」
「その時からそうじゃった」
 僧侶になる若き日の頃からというのだ。
「全く以てな」
「飲む打つ買うでか」
「特に博打じゃ」
 そちらがというのだ。
「酷いものじゃった」
「よくそれで坊さんになろうと思ったな」
「全く
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ