第三十四話 大魔術師ガンダルフその八
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「そうするか」
「お金はあるしね」
淳二は久志にこのことも話した。
「それじゃあね」
「ああ、惜しみなく買おうな」
「もしここでお金をケチったら」
「その分だけ命に係わるからな」
「そうそう、冗談抜きでね」
「手袋も買って靴下もな」
それもというのだ。
「買っておくか」
「分厚いのをね」
「霜焼けじゃ済まないからな」
「凍傷になるよ」
淳二は笑っているが声は真剣なものが入っていた。
「そこから指とかなくなるから」
「北欧って過酷だな」
「ロシアもそうだけれどね」
あちらの世界のその国もというのだ、ロシアにしても極寒の国としてあまりにも有名である。そしてそれがロシアを守ってもいる。
「北も実際にね」
「それ位の寒さだよな」
「だから本当にね」
「服はしっかりと買っておくか」
「それで死んで復活しても恥だよ」
凍死してそのうえでというのだ。
「こっちの世界だとね」
「そうなるか」
「うん、だってモンスターと戦った訳じゃないじゃない」
「罠にかかってでもないしな」
「だからね」
正面きっての死からの復活ではない、この世界ではそこから復活しても誇りとは認識されないのだ。そうした考えなのだ。
「よくないからね」
「最初からだな」
「そう、万全の用意をしておこうね」
「そうするか」
「備えこそが賢明じゃ」
ガンダルフも言ってきた。
「何事もな」
「何も備えないで何か出来るとかな」
「ないであろう」
「ああ、冒険でも何でもな」
「魔術でも同じじゃ」
「それでだよな」
「うむ、何事もじゃ」
何といってもというのだ。
「備えあってこそだからのう」
「俺もそれがわかっているつもりだからな」
「備えておくのじゃな」
「幸い金もあるしな」
ガンダルフに笑って述べた。
「用意しておくぜ」
「それは何よりじゃ、しかしな」
「しかし?」
「若し金がなかったらどうする」
要するに防寒用の服を万全に用意、それも人数分だけ出来る分だけの金がないのばらその時はというのだ。
「一体な」
「その時はモンスター倒して稼ぐさ」
「それから行くか」
「まさか盗む訳にもいかないだろ」
「そうそう、盗んだからお金は簡単に手に入るけれど」
盗むといえばの淳二も言ってきた、シーフという職業柄のことだ。
「それでもね」
「すりとか空き巣とかはな」
「そんなことは本物のシーフのやることじゃないんだ」
「トレジャーハンターとか怪盗か」
「おいら位になるとちんけなことはしないよ」
すりだの空き巣だのはというのだ。
「頭と技を使って冒険とかをしてね」
「そうして手に入れるな」
「そう、だからね」
「そんなことは最初からしないか」
「そんなちんけなことをしても嬉
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