第五十話 それぞれの休日
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一人暮らしとは此所まで侘びしいモノかと実感してきているな。
しかも誰もまともに扱ってくれん。
一昨日なんぞ鶏冠頭《ビッテンフェルト》がやって来て頭が痛いにもかかわらず、
あの大声で『風邪なぞ、気合いで直せ!だめなら酒でも飲んで寝ちまえ!』
と大量の酒を持ってきて散々呑ませられ、奴も散々呑んで帰りやがった!
しかもだ酔って気分が最悪な俺をそのまま放り出して帰りやがった、
部屋も汚れたままじゃないか!
おかげでさらに風邪が悪化して今ひどい状態だ。
ん?誰か来たようだ。また鶏冠頭か、いい加減にしろ!
「ごめん下さい、ロイエンタール様大丈夫ですか?」
ん、女の声だ、レテーナじゃないのか?
寝室へ来て、俺の惨状を見てレテーナが驚いた顔をしている。
「ロイエンタール様、大丈夫ですか!」
「あまり良くはないがな」
可笑しい、レテーナだけには何故か素直になれる自分が居る。
「レテーナどうして此所へ?」
「ビッテンフェルト様からロイエンタール様が寝込んでいらっしゃると聞いて仕事休んできました」
「鶏冠頭め余計な事を」
「ひどい状態です、私に任せて下さい、ロイエンタール様が直るまで看病しますから」
「仕事はどうするんだ?」
「ママが私の気の済むままにしなさいって言ってくれたんですよ」
ユリアーネか、気を効かせすぎだ。
「さあ片付けちゃいますね、まずは汗まみれのパジャマを着替えましょうね」
普段見せ慣れているのに、何故かこういう時は恥ずかしいモノだ。
「自分で着替えるからいいぞ」
「いいえ、ふらついてるじゃないですか、だめです」
押し切られてしまった、弱い俺を見られるのが非常に恥ずかしい。
体を蒸しタオルで拭かれ、着替えさせられ、新しいシーツのベットに寝かされた。
レテーナはリビングの掃除をしているらしい。
数時間たっただろうか、夕食を作って俺に食わせてくれた。
そのまま帰るのかと思いきや、泊まっていくという。
よせそんな体力は今無いぞ!
違うのか本気で看病のために泊まり込みをするのか、
「ロイエンタール様直るまでは一緒ですからね」
これはまずい、誰かに見られたら何を言われるか、早く直そう。
■イゼルローン要塞 ビッテンフェルト官舎 フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト
いやはや、あのロイエンタールが風邪とは驚いたぞ。あいつでも風邪をひくんだな。
以前俺が風邪をひいたときには『ビッテンフェルト卿も風邪をひくとは天変地異の前触れか』とか言いやがたからな、今回は俺が笑いに行ってやった。
酒と肴を大量に持ち、奴の官舎へ行ったところ、
相当具合が悪そうだったから、酒をしこたま飲まして寝かして帰った。
翌日も出て来ないからさすがに心配にな
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