Side Story
アンサンブルを始めよう
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しい拒絶と嫌悪と涙はロザリアの物。
泣きながらも気丈に振舞っていた彼女の「本心」を自分の意識と目で直に見て、心臓が鋭い痛みを訴える。
それでも傍に居たいと願うのだから、私という人間は本当に……
「選んだのは私だ。お前の後悔なんざ知るかよ、バーカ」
コートの胸元を握りしめていたからか、ロザリアが怪訝な顔で私を見て、鼻で笑った。
(……以心伝心?)
「お前の顔が分かりやすいだけだっての。良心の呵責に苛まれるのはザマーミロだけど、また逃げ出そうってのは絶対に許さないからな。死ぬまで放さないし、離させない。解ってるよな」
(……はい)
「なら良い」
本当に……彼女には、死んでも敵いそうにない。
「で。答えは? お前自身は、どうしたい?」
俯いた頬を両手で包んで掬い上げ、恐怖に揺れる薄い金色の目を覗き込むロザリア。
長い沈黙の後、エルフの少女は
「……………………………………じゃ……」
今までで一番大きな滴を落としながら
「いやじゃ……っ、嫌じゃ嫌じゃ! 我は、あのような扱いなど、受けとうない!」
助けて と、叫んだ。
「任せとけ」
ニッと歯を剥き出しにしたロザリアが すくっ と立ち上がり、九個の球体を右腕の一振りで里中にばら撒いた。
「お前の仲間も、体の時間を止めて意識を結界の外へ放り出した。今日以降、エルフ族の大半は暫く冬眠させる。その間に、お前はお前自身が納得できる生き方を探すんだ。結果、エルフ族存続を選んで里に戻って来るも良し。全く別の場所での新しい生活を選ぶも良し。自分の意志で、好きな道を進め」
ロザリアに支えられてよろよろと立ったリーシェは、陰りを見せながらも決意を窺わせる強い眼差しで里を見渡し、深く頷く。
血縁者に子供を産めと望まれていた点で自身にそっくりなリーシェを助けられたからか、ロザリアの横顔がとても満足気で、私まで嬉しくなる。
しかし。
十三個からリーシェを引いて十二個。更に九個を引いて、三個残った球体。エルフの総人数は十二人の筈。数が合わないような。
(それ、残りの三個には誰が入っているのですか?)
ふよふよ漂う球体を指して尋ねると、微妙な顔で振り向いたロザリアが頬を掻く。
「んー……。一つは、エルフの中で唯一まともなネールってヤツ」
ネール。前回、凄まじい敵意を放ちながら案内役を務めてくれたエルフだ。
「全員を行動不能にしたら、里の畑が荒れ放題になっちまうだろ? 勿体無いから留守番させようと思ってさ。本人も中で話を聴いて同意してるし、私達が里を出た後で開放するつもりだったんだけど……出て行く前に会っておくか?」
コイツだけはお前の扱いに疑問を持ってたぞ、と前置いた上で尋ねられたリーシェは、一瞬表情を強張らせ
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