Side Story
アンサンブルを始めよう
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……)
「どんだけ長く息をしてきたかよりも、どれだけの物を見て聴いて触れて感じて見極められるかが重要なんだよ。言われた事だけを熟す努力(笑)で満足してるガキに、これ以上付き合ってられるか。時間の無駄だ」
かっこわらいかっことじ って。
不機嫌で辛辣さが増してますね、ロザリア。
「外を知っても変わらないなら、それはそれで良い。そう在るべき種族なんだろうさ。でも、自分達以外の在り方を知ろうとせず、個人の気持ちを考えようともしないで引き継がせる義務なんか、クソ喰らえだ。守護者だろうと護り手だろうと関係無い。根こそぎ引っこ抜いて抹消してやる。……だからお前も、自分で学んで、自分で考えて、自分で決めろよ、リーシェ」
「…………ロ……ザ、リア……さま……」
頭頂部を撫でられたリーシェが顔を上げ、恐怖と戸惑いに濡れた目でロザリアと私を見る。
「わ、我……は」
「此処に居たければそうしろ。さっき「見せた」通り子供を産む道具にされるだけだが、お前が本心から納得した上で受け入れるんなら、こいつらを解放して私達はこの場を立ち去る。後はお前らの好きにすれば良い。けど、ほんの少しでも迷いがあったり、嫌だと感じてるんなら……一緒に来い。外の世界と、自由に選び取れる無数の未来を、お前に見せてやる」
良い事も悪い事も無意味に思える事も、たくさん経験しろ。目に入る総ての事象と向き合いながら、お前自身の将来をどうしたいのか考えれば良い。
真顔でそう告げるロザリアに、リーシェは眉をぐっと寄せる。
「し、しかし、聖樹が」
「此処の結界は私にも扱える。幸い、二方向が高い山に挟まれてるし。東と西の出入口を直接繋げば、粗方の侵入は防げるぞ。里の空間を閉じれば完璧だな」
え。
(空間を完全に閉ざすのは不味いです、ロザリア。世界樹には万物の魂を修繕する役目も有るんです。接点が小さいほど世界の衰退を加速させてしまいますよ)
これはレゾネクトの中で得た「彼女」の知識だが、勇者一行も知っていた情報だ。だから当時のマリアさんは、侵入者を防ぎ切れないと判っていても、目眩まし程度の結界しか張れなかった。
「ふーん。よく解らんけど……なら、里の上下を開いとけば良いんじゃないか? 少なくとも人間は遮断できるぞ」
「……遮断、できる……? 侵入者を?」
「ああ、そうだ」
抱き付いたままの両腕を外させ、リーシェが吐き出した物は気にも留めずその場で膝立ちになり、彼女と目線を合わせて、その両肩をしっかり掴む。
「よく考えてみろ、リーシェ。神々は現代でも母さんが作った異空間で惰眠を貪っててこっちの世界には我関せずだし、世界樹を実際に害した莫迦親父は猛省中。害しそうな悪魔共も半分寝てる状態だから手の出しようが無いし、人間は新しく組む私の結界で阻んでやる。動
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