Side Story
インナモラーティは筋書きをなぞるのか
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も解ってるだろうが。とりあえず、情報提供には感謝するぞ、アオイデー。これで二人の足取りは確定だ。はは! どっちが先に着くか、競争だな」
師範が物凄く嬉しそうに目元を歪めた。気に入らない相手の懲らしめ方を考えてる時の笑顔だ。本気で怒ってる。
ロザリアさんとクロスツェルさんが必ず足を運ぶ場所、か。神化の話に拘りを見せてる辺り怪奇現象と深い関わりが有って、且つ普通に行っても入れないとなると……師範が目指してるのは多分、あそこ、かな。
「私達が先に着いたらどうするんですか?」
「ヤツを殴る」
『おい』
「冗談だ。此方からは何もしない。連中の話を聴きながら当事者二人の到着を待つさ。この件に関しては、どんな結末であれ、決めるのは二人の裁量だ。其処に部外者の感情は関係無いし、必要も無い。この件に関しては、な」
『お前は潔いのか何なのか……何十年と見ていてもイマイチ解らん』
「俺は、必要だと思う事を必要な時にやるだけだ。十分潔いだろう?」
「そうですね」
実際、やれると思えば必ずやり、やれないと思ったら絶対にやらない師範の判断力と決断力は、アルスエルナ国内随一と言ってもきっと過言ではない。
深い同意を込めて頷くと、アオイデーさんにとても心配げな目で見られた。
「ところで、本当に付いて来る気か? 対レゾネクトの戦力に数えられてたフィレスはともかく、お前は連中にとって排除の対象だろ?」
『私の安全は考えなくて良い。今は私の力で存在を認識させているが、普段の私は古き友の力で生物の気配を消している。音に敏いアーレストでさえ、現在に至るまで目と鼻の先に居ても気付けぬほど完璧にな。仮に見付かったとしても、私の力量のほうが上だ。あれには負けんよ』
そういえばアーレストさんは前回、私に向かって「こんな音は聴いた例が無い」と言ってたか。アオイデーさんが雑じり気無しの堕天使で、短時間でも彼の間近に居たのなら、アーレストさんが「神に類する音を聴いたことが無い」のは不自然に思える。
しかし、アオイデーさんが敢えて気配を消していて、それが悟られてないとすれば……なるほど、筋は通るか。
で。
何故、数歩分後ろで立ち止まっているのでしょうか、師範。
「お前……見守るって、対象に気付かれずに四六時中貼り付くって意味か! フィレスの食事にもフィレスの憚りにもフィレスの入浴にもフィレスの寝床にもずっとずっと……とんでもない偏執狂だな!」
えぇー……
『……大概にしとけよ、このクソガキ……ッ! そんな下らない考えを巡らせるのはお前くらいのものだぞ、莫迦者が! フィレスの寝顔が可愛いのは認めるがな!!』
ええぇー…………
「うわ、マジモンか! 俺だってまだちゃんとは見てないのに……っ お前こそフィレスから離れ
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