【あなたに贈る一筋の風】
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まで運びましょう」
「えっ、あ……」
あまりに自然な動作で横抱きされ、一瞬何が起きたか分からなかったが、ネジの間近の端正な顔立ちに思わず見とれるヒナタ。
「不本意であなたに風邪をプレゼントしてしまった事は、どうか許して下さいね」
「い、いいんです……! むしろ、ネジ兄さんからならいくらでも風邪を移されたって構わないし」
「フ…、何を仰ってるんです。来年の初日の出、共に見れなくなりますよ」
「ネジ兄さんが傍にいてくれたら、どこに居たって初日の出は見れるよ、きっと」
「強引な事をいいますね……。いいでしょう、俺自身があなたの初日の出になってあげますよ。──っと、我ながら妙な台詞だ」
「ふふ……ありがとう、ネジ兄さん」
二人は互いにそっと見つめ合い、微笑んだ。
──ヒナタはネジとのこのささやかなひと時を、隣を歩む者が異なろうともこの先一生、忘れる事はなかった。
《終》
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