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NARUTO日向ネジ短篇
【あなたに贈る一筋の風】
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と、そんな事より今はネジ兄さんの身体の方が心配なんです…!」

「(ヒナタ、様……)」

「姉さまもそう言ってることだし、素直に看病されておきなよネジ兄さまっ」

 姉を後押しするように従兄に言い聞かせようとするハナビ。

「判り…ましたよ、お言葉に甘えさせて頂き──クシュンッ」

「(ネジ兄さんのくしゃみ……何度見ても聞いてもかわいい……)」

 心の内でこっそりと、ヒナタはそう感じた。



「すみません、ヒナタ様……誕生日だというのに、何も用意していなかったばかりか世話を掛けてしまって」

 ネジは額当てを取り、後ろに結っている髪を解き、寝巻き浴衣に着替え床に入る。


「私の事は気にしないで下さい、ネジ兄さんの看病を出来る方が私にとっては嬉しいですし」

「そういう、ものですか……? しかし、俺の誕生日には……好物のニシン蕎麦を作って頂いたのに。あと……手編みの髪紐」

「そう簡単に切れたり解けたりしないように、しっかり編み込みましたから」

「ええ、重宝しています……。あとで、俺からあなたに何か──クシュンッ」

「今はそんな事より、風邪をこじらせないようにちゃんと休んでいて下さいね、ネジ兄さん」

「は、はい……」



 そして二日後。


「──本当にもう大丈夫なんですか、ネジ兄さん?」

「ええ、クシャミも出なくなりましたし……熱も大したことは無かったので軽い風邪だったのだと思います。あと、ヒナタ様の手厚い看病のお陰かと。……すみませんヒナタ様、付きっきりでいさせてしまって」

「私がそうしたかったから、そうしたんです。治ったみたいならいいんですけど、無理しないで下さいね?」

「はい。──それでヒナタ様、遅れてしまいましたがあなたの誕生日の……」


「くしゅんっ」


「あ……ヒナタ様、今クシャミを──」

「あっ、大丈夫です! ごめんなさい、今のはほんとにただのくしゃみ──くしゅんっ」

「軽かったとはいえ、俺の風邪が移ったのでは……」

 ネジは不意にヒナタの額にそっと片手を横に宛てがう。
……ヒナタは別の意味で顔が熱くなるのを感じた。


「熱があるように感じます。ヒナタ様、今すぐお休みになって下さい。風邪をこじらせたら大変だ」

「は、はい……分かり、ました。あの、ネジ兄さん……」

「何でしょうか」

「今度は、その……ネジ兄さんが、私の傍に……いて、くれますか」

 俯いてもじもじと消え入りそうな声で言うヒナタ。


「──言われずとも、そのつもりでしたよ」

 ネジにふっと微笑され、ヒナタは更に顔を紅く染める。

「熱が上がったのではないですか、ヒナタ様。……俺があなたの部屋
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