第11話 丘に聳り立つ
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わせて真っすぐ見て来る瞳。
何が義経を此処まで強く奮い立たせるのか、少々興味があるが此処は素直に感謝し
「そんなにシーマに会いたいんだ?」
「違う!」
一瞬で顔を真っ赤にして否定する義経に弁慶は笑う。
「そんな無理に強く否定しなくても」
「無理なんてしてない!」
突然の事態の変化についていけなくなるマープル。
だが2人のやり取りで、まさかと考える。
「けど会いたくないっていうのも失礼な話だよね?私達4人ともを助けてくれたのは他ならぬシーマだっていうのに。あっ、あの矢の雨は衛宮先輩だったっけ」
「うぐっ!?」
「だから別に(異性としての)好意を抱いても、なにも不思議はないはずでしょ?」
「そ、それはそうだけど、弁慶の言い方は上手く言い表せないけど・・・・・・なんというか違うんじゃないか?」
「へ?」
弁慶が間抜けな声を出した。
マープルも先ほどまさかと考えていたが、別の意味でまさかと疑いが生じた。
義経はなぜか憧れている感情を恥だととらえているのか否定しながら、それ以上の好意をシーマに対して抱いている自覚がない様だ。
複雑すぎていろいろ困ったものだ。
特に困ったのは矢張り義経が無意識ながら、シーマに異性として行為を持っていること。
これが人格的に大したものな人間なら“恋”と言う経験によって、義経をさらに高みに押し上げるとして期待できるものだが、確定情報ではないとはいえ相手は英霊。悲恋となる結果は見えている。
だからと言って教えるわけにもいかない。
今の義経の精神的支柱の一番の核がシーマである事と、サーヴァント関連の事はまだ義経達に教えるべきではないという結果になったことだ。
本当に頭を痛ましてくれる問題だが、改めて今は義経が登校すると決断してくれたことに感謝しようと自分を慰めた。
『・・・・・・』
その光景を霊体化のままで微笑ましく見ているジャンヌと、その一方で明らかに不満そうな与一が入り口近くにいた。
(組織の尖兵を処分しないなんて九鬼財閥全体を味方として信用するのはやばいかもな)
そこで自分のサーヴァントであるジャンヌももしかすればと一瞬だけ疑ったところで、びくっと体を震わしてその疑問を直ぐに消去した。
(ソンナハズハナイ、ジャンヌガテキダナンテアリエルワケガナイ)
与一の瞳が怖いくらいに虚ろな目をしていた。
どうやら昨晩のあの後もジャンヌとの話し合いをしたようだが、どうやら調教されたようだ。
これを指摘してやればジャンヌは断固として否定してくるだろうが。
そんな朝の一幕だった。
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