第11話 丘に聳り立つ
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言うのに危機感が無いのか!レオとリザを守るのは士郎になるのであろうが、ならば士郎は誰に守ってもらう?――――余であろうが!なのにサーヴァントを連れて歩かぬなど正気の沙汰とは到底思えぬ!そもそもお主は以前から――――」
3人に追いつき、走りながら士郎に説教を始めるシーマ。
だがしかし、興奮していると言うのに声音を押さえながら怒鳴れるとは、如何やらある一定の強さを越えたもの等にはそれらの器用さが許される様だ。
−Interlude−
「そんな!もう動くなんて!」
此処は九鬼財閥の会議室。
叫んでいるのは義経であり、その懇願に近い悲鳴を受けているのは昨夕襲撃者たちからの凶刃により重傷を負ったはずのクラウディオである。
「ご安心ください。見た目ほど深い傷ではありませんでしたし、マープルの施術が思いのほか効き目がよかったものですから、すぐに復帰できたのですよ」
「・・・・・・」
しれっと言ってのける同僚に、口では何も言わないが内心呆れているマープル。
確かに特製の治癒(魔術)を施したのは自分ではあるが、何も次の日から復帰せずともと、いざとなったら一番無茶をする幼馴染に対して、呆れを通り越して諦めている。
「でも本当に大丈夫なのクラウ爺?」
「ご心配お掛けしてしまって本当に申し訳ありません。ですがご覧の通り万全です」
「ヤレヤレ、アンタって奴は」
その時、勢いよくドアが開け放たれたと思いきや、急速で入って来たのは紋白だった。
「クラウディオ!もう動いてよいのか!?」
「はい。おかげさまでこの通りでございます」
だがしかし、紋白はクラウディオが意外と無理をする方だと知っているので、自分自身で確かめようと体のいたるところを触りまわる。
それを放置して、マープルが訪ねる。
「それで今日は如何するんだい?」
如何するとは勿論川神学園への登校についてだ。
「・・・・・・義経は登校したいと思う」
「良いのかい?武士道プランの総責任者としては助かるが、いくら私でも昨夕あんな襲撃受けたんだから、登校を強制する気は無いよ?」
「うん。でもよく考えた結果だから」
正直、今回ばかりは自責の念を感じるマープル。
義経の決断は責任感が強いと言えば聞こえはいいが、強迫観念によるところが大きいと見ている。
しかも昨日の自分を不甲斐無く感じている所も上乗せされているんだろう。
だからもう一度聞く。
「本当に良いのかい?今日くらい休みを取っても私は責めやしないよ?」
「大丈夫。義経は筆頭としての責務があるから」
「義経・・・」
弁慶の心配もよそに、目を逸らさない義経。
一切の淀みなく、自分の目に合
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