第11話 丘に聳り立つ
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しょうね。ちなみに西欧財閥としては動く気はありませんのでご安心を」
「良いのか?」
「別に善意ではありませんよ?今の此処周辺はどの様な形で手を出すにしても、情報不足もあってリスクが大きすぎますから」
なるほどと呟いて、一応の納得を見せる士郎。
「それで今回の事は置いとくとして、レオはどうしてこんな朝っぱらから?」
「士郎さんにお願いがありまして」
「頼みって事か?」
「はい。今までは周囲の目を盗んで1人でやっていた事なんですけど、此処に来たからには本格的にやりたいのですが、立場上1人で勝手にやるわけにはいかないんです」
レオの言葉は何を指示しているのかと暫く考えてから、
「鍛錬か?」
「はい。走り込みなどを含めると、1人で行うにはリスクが高い事ぐらい自覚しています」
「成程、百代が暫く空くからその隙を狙ったな」
「結果的にそうなっただけですよ。少しの間士郎さん達の鍛錬を観察していましたし、頼もうとはほんの少し前から考えていた事です。勿論報酬は出させて頂きます」
――――つまりこれは魔術師としての等価交換かと、士郎は察した。
「それはいいんだが、レオなら気付いている筈だろ?」
「接近戦の才能が無いと言う事なら問題ありません。そちらについてはスカサハさんに頼んだ独自のメニューを組んでもらいましたので」
スカサハから組んでもらった鍛錬メニュー票をレオから受け取る。
「・・・・・・随分本格的の様だが、完全に確信犯じゃないか」
「いやぁ・・・」
「褒めてないぞ」
それでも照れるポーズを解かないレオに、感心を通り越して呆れる士郎。
「・・・・・・師匠が絡んでいるんじゃ受けない訳にはいかないが、名目上護衛しながらと言う事か」
「話が早くて助かります」
「ならリザも一緒か」
「その通り!」
まるで当然の様にレオの横――――では無く、士郎の横に現れる。
「そこは普通レオの横じゃないのかって、腕を絡めようとするな!雇い主の前だろ!」
「ボクは気にしませんよ?」
「そこは気にしろよ!」
全く疲れる主従だと深い溜息を吐く。
「兎に角、リザも一緒にでいいんだな?」
「ええ。それにずっとボクの護衛ではリザさん自身の鍛錬が疎かになるんで、丁度いいかと思いまして」
「そうか」
最早何も言うまいと突っ込みするのも放棄する士郎。
諦めてまずは走り込みからと出発するのだった。
「って、何故余を連れてゆかぬ!」
「「「え?」」」
入り口から出て行ってから10メートルも離れていない距離でシーマに呼び止められる3人――――と言うか士郎。
「昨夕襲撃事件が起きたばかりだと
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