第11話 丘に聳り立つ
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いかと期待して回してたんですけど、気付かれてたらそれは押し倒したりしませんよね?」
「気づいてもしない。俺は色情魔なんかじゃ無いんだからなッ!」
「はい?」
声音を落として怒鳴ると言う与一の技を士郎も出来る様だ。
「ごほん。こっちの話だ。――――それより改まってになるが、如何して下宿先が家なんだ?西欧財閥の次期当主と言う肩書きなら、それこそもっと豪華なホテルの最上級スイートルームでもおかしくないし、日本家屋に興味があったなら、そっちの最高級の旅館でも良かった筈だ。なのに如何して衛宮邸なんだ?」
「最大に理由は今はまだ答えられません。ですが一つの理由として――――士郎さんに興味があったからです」
「俺に?」
「そう、貴方にです」
レオに指名された士郎は少し逡巡する様に考えてから、
「――――それはレオが転生者だからと関係してるのか?」
「当たらずとも遠からずと、言った所でしょうか。ですがご安心ください。ボクは断じて衛宮邸及び藤村組を害そうと企んでいる訳ではありませんので」
「取りあえず、今はその言葉を信じさせてもらう」
一区切りついたので何故こんな早朝から活動していたのか聞こうとすると、
「それにしてもこれから波乱ですね」
こんな事を言ってきた。
恐らく波乱とは昨夕起きたテロでは無い。
いや、全く関係が無い訳では無い。寧ろその件で浮上した問題だ。
「藤村組の事だな?」
「矢張り気付いていましたか?」
「当然だ。あの雷画の爺さんが今回の事件、如何して事前に察知して気づけなかった事についてだろ?」
藤村雷画はこと関東圏の企み、特に自分達が被害を受ける或いは巻き込まれそうな事件について事前に察知して、悪巧みを暴く超常現象の様な事を幾重も積み上げて来た。
その当たりもあって、ある種の裏取引的に警察庁の幹部や大物政治家も藤村雷画を頼っている。
だが藤村雷画のそれは超常的な力故では無い。
本部支部問わず、組員たちが入手した重要な情報から些細な事まで、日々雷画に集まって行き、そこから情報を精査して何かおかしな企みが起きてないかを判断しているだけだ。
さながら安楽椅子に座ったまま、幾つもの情報をもとに推理から真実へと導く名探偵
しかし、今回は情報が不足していた。
事件後の昨晩までの時点では、何所からの情報が途絶えたのか判明していないのだ。
正直気のせいでは済ませられない案件である。
最悪、一枚岩と言われて来た藤村組が内紛勃発か内部分裂にまで発展しかねないのだから。
「件の被害者は九鬼財閥だし、政府と協力して情報規制を敷いたから今回の事で藤村組が責を問われる事は無いだろうが楽観視も出来ない」
「そうで
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