第11話 丘に聳り立つ
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おかしくない位の憤激に駆られている勢いだ。
その興奮具合に士郎は引きながら黙っていたのだが、沈黙と士郎の視線に誤解したのか、被害妄想から攻めたてる。
『そんな目で私を見るなぁああああぁああ!!私は自た、寄せ、ニー、ひ――――釈迦堂刑部では無いッッ!!』
最早釈迦堂刑部とは、無職を罵倒する造語の中でも最上位の位置にあるらしい。少なくとも、彼の存在の中だけでは。
『私には労働意欲がある。私には求められるならば、能力を十全に発揮する用意がある。故に私は釈迦堂刑部の同類扱いされる謂れは無い筈だッッ!!!』
もう手が付けられない。
そんな時、士郎の意識がこの剣の丘から離れようとする現象が起きる。
それを目聡く感じ取った彼の存在が、怒涛の勢いのまま士郎に詰め寄って来る。
『ま、まままさか、お前、貴様、え、衛宮士郎!私をまた放っておいて、堕落の徒に堕ちろと言うのか!?何故だ何故だ何故だ!私がお前に何か残忍極まる事を押し付けたとでもいうのか!?これからもまた私に恥辱に耐え続けろと言うのか!?私には労働意欲があり、何時何時でも借りを返す気があると言うのに、私を見捨てるのかぁああああぁああ!!?答えろ衛宮士郎ォオオオオオオ!!』
「す、まな・・・ぃ・・・・・・」
しかし士郎が意識的に戻ろうとしている訳では無いので、謝罪しか送れない。
だが勿論、彼の存在は許容できない様だ。
『酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷いィイイイイイイ!!いやだぁああああ!釈迦堂刑部になど為りたくないィイイイイイイ!!?待てまて待てまてっ、私の話はまだ終わっていないッ!それとも逃げるのか、この衛宮士――――色情魔がぁあああああぁああああああ!!!』
「誰が色情魔だっ!」と、言い返したい様だが、生憎士郎の剣の丘に滞在できる時間は終わりを迎えてしまった。
−Interlude−
目覚めは最悪だった。色んな意味で。
「ふにゅ〜♪」
「・・・・・・」
リザは相変わらず忍び込んで士郎に抱き付いている。
しかもリザが抱き付いている士郎の左上半身の浴衣は、すっかりはだけており、完成にはまだ至っていないが、中々の肉体美を誇っていると言っても過言では無いだろう。
その状態からリザが僅かに離れた隙をついて抜け出し、そのままお姫様抱っこで彼女を持ち上げてから廊下に出て、少し歩いてから本人に宛がった部屋の襖を開けてから放り入れて襖を閉めた。
「で?そこで何してる?」
「やっぱり気付かれました?」
廊下の角に居たのは、ハンディカムのビデオカメラを撮影中のまま手に持ったレオである。
「あのままリザさんを押し倒すんじゃな
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