Operation 02-発令、ファーバンティ解放作戦-
取り戻す為に
Mission22「集結、そして出撃」
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幸いなことに、見つかることはなかった。
3分近く待ってすぐに「鎮守府のほうへ戻った方がいい」と言って少年が照月を背負い自分は鎮守府へ案内した。正確に言えば、戻ったのだが。
15分近く歩いた自分たちは鎮守府に着くなり照月をすぐに医務室に運び、安静にさせてから少年を応接室に回した。
「今日はすまなかった……屋台は大丈夫なのか?」
少年の身を案じるように屋台の事を聞く。
「大丈夫ですよ。尤も、生きるなら食料自体は自分で蓄えてる分があるので」
少年は何か悲しい眼差しをテーブルに落しながら答える。
頭の中が考えことで埋まる。思考がすべて埋まっていく。
(さっきからこの少年に何かを感じている。何故だ?何故この少年は……)
気づけば午後10時を過ぎていた。これから少年はどうするのかを聞く事も出来ないのが、少しつらい。
「今日はもう遅い……鎮守府に泊まっていってくれ。今日の件のお礼も含めている、がな」
了承したようにうなずく少年。同時に部屋が余っていない事に後悔し照月に了承を得て2人で寝てもらうことにした。
しかし、なぜ少年は食糧を蓄えてるのだろうか。自分がそれを知った日は、これからもう少し先の事であって、同時に2人の記憶を消してしまった自分の後悔を含めていた。
◇
「そういえば……ありましたね」
彼は思い出したのか、はたまた曖昧な思い出し方なのかわからない。覚えていてくれたようだ。
吹雪に合図をしてあの紙とペンを2人の前に出す。
「これが合意書だ。すまないが、書くか書かないかは今決めてくれ」
彼の眼差しは、紙ではなく自分に刺さっているような気がしてならなかったが2人は紙を見続けた。
書いてある内容は、大鳳の譲渡とウィッチ4人の編入、そして資材云々と協力関係(とはいえ実質的にはこっちが後ろ盾になるだけだが)についてだ。これを受け入れるかは彼に任せる。受け入れられなくても、ウィッチ云々についてはほぼ強制的だが。
「わかりました。書かせてもらいます」
そう言って彼はペンで合意するサインをした。
「これでいいですか?」と言って見せてくるあたりまだ新米だが、それでも自分は構わない。
「ありがとう。さて、大鳳の甲板でブリーフィングだ」
自分は吹雪から降りつつ、大鳳へと向かう。彼もまた、ウィッチを集めて大鳳へ向かう。
◇
「照月……本当は、もっと前に自分と出会ったことがあったのか」
「そうですね……照月も、忘れていました」
501のみんなに集合をかける前に話す。あの1年前の話で、照月を助けて、まさか同じ部屋で寝ていたということを知った自分が、少し恥ずかしい。尤も、覚えてはいないのだけれど。
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