Operation 02-発令、ファーバンティ解放作戦-
取り戻す為に
Mission22「集結、そして出撃」
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……?」
照月は右手の人差し指に水風船を吊り下げて見つめる。
その視線は悲しいけれど美しく見え、似合うかどうかなんて結論は出ない。
「似合うさ……」
そう言ってたら脳が危険を告げる。第六感が駆け抜け、視線を感じた。まずい……
「すまない、隠れるぞ」
照月は戸惑いながら手を離さないでついてくる。周りにざわめきが広がり、同時に感じる視線が増える。
(離すなよ……)
そう思い人ごみの中に隠れつつ、突き進んだ。
夜の中心街を駆け抜ける中、一つの屋台に目を付けた。後ろに通路がある。
「すまない……後ろを通してもらえ……」
屋台にいた人に声をかける。だが、その人は少年だった。
(セレンの言っていたやつは……この少年の事か?)
少年からは提督の資質を、若干ながら感じる。冷たい視線が刺さっていたが少年は判ってくれた。
「わかりました。ならいい抜け道が」
そう言って少年は屋台に「買いたいのであればお金と持っていく商品をメモ書きに書き、持っていくこと。監視カメラを起動させているので不正をした場合は調査する」という脅迫文らしきものを置いて、裏道に入ると「来い」というように手招きをする。
「先に行ってくれ」
照月は裏道に入っていき、それを追う様に自分も入っていく。
大通り近くの裏道には廃れた店が多く、同時に治安も良くない印象を受ける。これでも暴力事件などが一切起きていないあたり、寧ろ平和なのだが。
そうして網目のような裏道を通っていると少年がふと何かを見たのか止まる。自分も見た視線の先には「奴ら」が依然として警戒していた。それを見て、何か気づいたのだろう。
「ここから大通りに戻るは難しい」
少年は冷静に考えていた。正面突破は無謀だ。何か裏を掻かなければならない。気づかないようなところで――――――。
「ちょっと遠回りする。見た感じ警備が薄い大通りの山側を通る」
少年は来た道を少し戻ると、大通りを突っ切った。
「少年……なぜそこを」
自分は疑問に思ったが、大通りからの銃声が全く聞こえない。警備が手薄なところが見つかってよかった、と思いつつ照月と共に走り、突っ切ろうとした。
道路の真ん中当たりで、突如銃声が一発だけ響く。その刹那、照月の左腕から血が飛び散る。飛び散った血は地面を所々赤黒く染め上げた。
それを見た少年は、表情を変えてはいなかった。
「うっ……」
照月が声を押し殺して苦しみ、渡った直後から歩く速度を遅くしている。
「すまない………」
少年は自ら持っていたハンカチを使って止血をしつつ、左腕を高くさせて少し安静にする。
上手く闇に隠れるためか少し奥の方で処置したのが
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