6時間目
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る。
そのあっけらかんとした様にこの場にいた全員があっけに取られた。
「ふふふふざけるなーーー!! き、貴様ここまでしておいてギブアップだと!? 何がしたかったんだ貴様!!」
千雨は最初は様子見する気であったし、ネギ先生の手助けをしたのはただ弱い者いじめが見過ごせなかったから。
エヴァンジェリンたち相手に時間稼ぎをしたのは本来の対戦相手であるネギ先生が生徒たちを捕獲するの待つためであったし、彼女自身最初から勝つつもりなどなかった。
とどのつまり、エヴァンジェリンがいままで千雨相手に戦ったことは、まるで無駄だったこととなる。
「確かに、何がしたかったかと言われりゃあただの八つ当たりでしかないが、まあもう少しくらい手助けはしてやるか」
と両腕を下すと音もなくその手に小さな刀、小太刀が現れた。
「え!?」「うそ!?」
魔法を使う様子がなかったのにもかかわらず目の前で起きた不思議な現象に驚愕するネギとただ単純におどろいた明日菜。
「ほう、刀も使うのか」
と仕掛けをわかったつもりでいるエヴァンジェリンは特に驚かない。
ただ元から持っていたものを今見せただけと考えたから。
「ああ、あまり使う機会はないがあんたら相手ならちょうどいい」
ゆっくりと丁寧に鞘を抜き、それをエヴァンジェリン、ではなく茶々丸へ向ける。
「じゃあ、私らは退場というこうか」
「茶々丸! そこから離れろ!!」
エヴァンジェリンが何かに気付き茶々丸へ警告するが、少し遅かった。
「な、これは」
茶々丸が体を動かそうとしたが、動かない。
まるで何か太いロープのようなもので括り付けられたかのように手足の自由が利かないのだ。
「じゃあ、こいつはもらっていくぜ」
「ま、待て!?」
と言って消える千雨と茶々丸。
自身を消せて他人を消せないというわけではない。
自身にかけていた幻覚を茶々丸にも使っただけだということはすぐに理解できた。
「まあこれくらいのハンデはいいだろ、安心しなこれが終わればすぐに開放するから」
姿は見えず、声だけが不気味にその場に響く。
「じゃあガンバ♪」
という言葉を最後に、声は聞こえなくなる。
ただその場にはあっけに取られた三人と、ふるふると怒りに震える吸血鬼だけが取り残されていた。
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