6時間目
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られないほど高速で動いていたわけではない。
文字通り姿を消していたのだ。
「私はこの力のこと、『幻と実を操る程度の能力』って呼んでる』
先日保健室で誰にも気が付かれなかったように、堂々と空を飛んでも魔法使いにすら発見されなかったように姿を消すことができたり、手に持った本の内容をほかの人から別の内容に見せたりすることができる。
要は自分が思った通りに幻覚を発生させることができる力ととらえてもらって問題ない。
この力のおかげで彼女が魔法使いたちから今の今まで自身のことを隠し通せているのだから。
「無詠唱で魔法の気配もなく幻覚と実体を入れ替える能力といったところか、なるほど種を知らねば不意打ちを防げないわけだな」
常に透明無音で攻撃を仕掛けてくるのだから、これほど厄介なものはない。
仮にこれを使えば真昼間であろうと正面からどうどうと相手の胸にナイフを突き立てることすら可能となってしまうと考えると、その脅威のほどがわかりやすいだろう。
だからと言って、実体がなくなるわけではない。
幻覚で姿を見えなくし、自身の存在を限りなく薄くしたとしてもそこに千雨がいる以上どこかに干渉してしまう。
そこを茶々丸に探知され、覚悟していたものの三度目の不意打ちを行った結果、密かに詠唱していた魔法の直撃をくらうこととなった。
「さあ種がわれたマジシャンなど最早脅威でも何でもない、さっさと退場してもらおうか」
リク・ラク・ラ・ラック・ライラックと彼女が始動キーを唱え始める。
おそらく、次は姿を消してもよけきれないような魔法を使うつもりだろうと千雨は考える。
幻覚だけじゃよけきれない、その事実を実感してるものの、彼女が仮面の下で浮かべた表情は笑みだった。
「……まったく遅すぎるぜ」
「何がですか? 結界ならまだ時間があります」
詠唱中のエヴァンジェリンに代わり、茶々丸が問う。
「いや、私ならもっと早く拘束できてたのになと思ってよ」
何が、とはもはや考えるまでもなかった。
「 連弾・光の11矢!!!」
彼女たちはもともと別の人間と戦う予定だったのだから。
「何ぃ!?」
詠唱を中断し、回避に移る。
彼女がいた空間を11の光球が突き抜ける。
「彼女たちはちょっと眠ってもらいました! エヴァンジェリンさん! 茶々丸さんも降参してください!」
先ほど千雨が見たよりも若干身軽になったネギ先生が空から降り立つ。
「ちぃ、こいつに時間をかけすぎたか……、だかこれで1対2だったのが、2対2になったにすぎん、貴様らに勝ち目があると思うなよ?」
挑発的にそう告げる彼女。
事実、実力でいうなら自分とネギを足した
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